顔が発火しおる!!
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リビングでは、母が神妙な面持ちでテーブルに両肘ついて椅子に腰掛けてた。
碇ゲン◯ウかよ。
その隣に、父が腰かけた。
「座りなさい」
と、妹があたしを母の向かい側に座らせる。
また、面接みたくなった。
役目を果たしたらしい妹は、テレビを消してソファで寝そべりながらこっちを眺めてる。
こいつ、楽しんでやがるな。
「まず」
と、母が切り出す。
「殴ったことは謝る。ごめんなさい」
「……はあ」
「でもね、このお見合いは、絶対なるみのためになると思うの。ダメでもいいから、一度会ってみてもいいじゃない?」
あたし、別に殴られたことに対してはなんとも思ってない。
むしろ、その押しつけがましい親切をどうにかしてほしいんだが。
「何度も言うけど、お見合いはしない」
「どうして?」
どうしてって、そりゃ、相手の人にも不誠実だし、それに……。
「好きなやつがいるんだな」
と、父。
……え?
「「そうなの!?」」
母と妹、同時に叫び声に近い声を上げる。
「えっと、ま、まあ?」
「でも、その人はいつあんたに振り向いてくれるかわからないんでしょ?とりあえずお見合いだけでも……」
「つ、付き合ってるから……!!」
ひい、顔が、顔が発火しおる!!