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あたしには似合わないなあ

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ーーあたし、なにやってんだろう。


貧血起こして、仕事早退して、焼き肉ランチ食べて、今は海にいる。


ああ、夕日が眩しい。



「なるみさん、もっと近づいてもらえますか。でもって、もう少し笑ってください。ーー引きつってます」



ーーほんと、なにしてんだろ。



あたしは海岸で、海を背景に宗旦狐と肩を並べてた。

宗旦狐が自撮りモードで向けてくる端末に、笑顔浮かべる。


にしても、男と二人で写真を撮ることが、ここまで難しいとは思わなんだ。

まず、男と二人だけの状況になっても発狂しないことを褒めてほしい。


「はい、ちーず」


もう、宗旦狐との距離も、あたしの精神的限界もなにもかもが近い。

恥ずかしすぎる。


宗旦狐は、なにが楽しいのかずっと上機嫌だった。



一通り写真撮った後、海岸に座って海を眺める。

海の近くに住んでるのに、こんなふうに海を見眺めたことなんかなかった。


赤い空。

輝く水面。

白波の音。


でもって、隣の宗旦狐。



正直言って、ものすごく落ち着く。

この世って、こんなに綺麗なもんだったっけって思う。



でも……やっぱ、あたしには似合わないなあ。

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