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仏に隠し事はできない

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「月川さん、大丈夫?」


「へ?」


「君、資料室がない日は、隣の駅でほぼ朝から晩までティッシュ配ってるでしょ。仕事中だと思って声はかけなかったんだけど」


見られてた……だと?


そうだ、仏の自宅の最寄り駅は確か隣の駅だった。

ああ、迂闊。


「顔色も、あんまりよくないし……。倒れたら元も子もないんだから、あんまり無理しないように」


「あはは、大丈夫ですよ。あたし、体力ありあまってますから!ーーそれじゃあ、お昼行ってきますね」


やっぱり、仏に隠し事はできないなあ。

あたしはそんなこと思いながら、教室を後にした。

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