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なんて恐ろしい子……!!
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「お兄ちゃんの気持ちはわかった。でも美月は、やっぱりお兄ちゃんが好き」
美月ちゃんは涙を拭いながらこう言った。
健気だ。
ほんとに健気。
あたしにもそんな健気さが欲しかった。
「だから、ね。もう少し、勝手に好きでもいい?」
……う、うああああああああああ涙目かぁらぁのぉ上目遣い、だとおおおおおおおおおお!?
なんて恐ろしい子……!!
そんなお願いされたら、誰だって嫌だなんて言えないわ!!
「ありがとう。異性としては美月ちゃんのこと見れないけど、俺も家族としては美月ちゃんのことが好きだよ」
と、宗旦狐は優しく笑いかけながら美月ちゃんの頭撫でる。
あー、これ、美月ちゃん当分諦められないだろうな。