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あたしがあたし?

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……理由なんてない、か。



いつの日か、母が言っていた。

「恋はするものじゃなくて落ちるものなのよ」って。


恋をすることは、相手を好きになることなんだと思う。

つまり、唐突に、その人のことが好きになるってことなのかな。


今のあたしには、ちょっとよくわからない。



でも、人間を好きになれる美月ちゃんは、宗旦狐の言葉が少しだけ理解できたらしい。

美月ちゃんもまた、宗旦狐のことを好きになったことに理由なんてないのかな。


宗旦狐は、続ける。


「あえて理由を当てはめるとするなら、それは、なるみさんがなるみさんであるからなんだ」


……あたしが、あたし?

そりゃ、あたしは他の誰でもない、あたしだ。

美月ちゃんだって、美月ちゃんは美月ちゃんだ。



ーーあ、なんとなく、わかったかもしんない。


美月ちゃんはあたしじゃないし、あたしは美月ちゃんではない。


つまり、他の誰でもなく、あたしでなきゃだめだって、そういうこと?



なんだそれ。

理由がないのとおんなじだ。

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