151/416
文房具は凶器になりえるからね
151
「えーっと、じゃあ、あたし音楽爆音で聴いてるから、終わったら呼んでくれる?」
宗旦狐だって、あたしに聞かれたくないこととかあるかもしれないし、第一あたしがそれを聞きたくない。
これ以上、巻き込まれたくないってのが本音。
なのに、宗旦狐はあたしの気遣いを無下にした。
「なるみさんも、聞いててください」
嘘だろおい。
嫌なんだけど。
マジで嫌なんだけど。
ここで突然の修羅場とか、ほんと勘弁して欲しいんですけど。
あたし、咄嗟に凶器になり得る文房具を全てディスクの中にしまった。
宗旦狐は、美月ちゃんと目線を合わせるため、少し屈んでこう言った。
「俺は、美月ちゃんのことを凄く大切に思ってる」