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修羅場突入の気配
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案の定、美月ちゃんは頰を膨らませる。
「お兄ちゃん、ひどい!」
あーあ、怒らせた。
いーけないんだいけないんだー。
おーだんなーにいってやろー。
「美月、もうすぐ十八だよ!?もう十八禁も解禁だし、とっくに結婚できる年頃なの!」
十八禁解禁って……。
うん、そうなんだけどね。
お姉さん、美月ちゃんには、あんまり見て欲しくないな。
「……お兄ちゃんは、美月のことどう思ってるの?」
ええええ、今それ聞く!?
宗旦狐、困ったように笑ってるけど、多分内心は穏やかじゃないだろう。
と、宗旦狐と目が合う。
「あたし、ちょっと外出てようか」
どう考えてもお邪魔だよね。
「いいえ、なるみさんもここにいてください」
と、美月ちゃん。
くそ、完全に巻き込まれた。
あたし、為すすべなく大人しく座って二人の顔を交互に見守る。