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処刑、開始
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カシオレ二杯目飲みきったところで、気分が悪くなってきた。
あたし、そういや酒あんま強くないんだった。
きもちわる。
ちょうど男共もトイレ中だから、あたしもちょっと行ってこよう。
幼馴染に断って、席を立つ。
やばい、視界がぐらつく。
女子トイレは角を折れて手前に、男子トイレは奥にあった。
女子トイレには幸い誰もいない。
あたしは鏡の前で気分の悪さと時間が過ぎるのを待った。
「まじさ、今回の女はずればっかじゃね」
「ほんとそれな。特に一番端のデブ、なにしにきてんだよ」
「あいつ、文学少女気取ってんの、まじ痛えわ」
女子トイレの後方から聞こえてくる声。
間違いなく、奴らだった。
声は、だんだんと近づいてくる。
あたしは、女子トイレから出て行った。