142/416
近いっつーの!!
142
「どうしてわざわざホテルに?」
「朝倉先生には関係ないって言ってるじゃないですか。そろそろ離れてもらえます?」
口臭やばくないか?
あたし、咄嗟に口元を手で覆う。
「理由を話してくれたら離れます。俺はずっとこのままでもいいんですけどね」
こんっのやろっ……!
って、なんで顔寄せてくんの!?
近い近い近い!!
「近いっつーの!!」
「ぶっ」
あたし、べしっと宗旦狐の顔面を両手で押し返した。
ほんとに、宗旦狐の顔からべしって音がした。
でも、これで解放されたから、もう言いたいこと言ってやる。
「セクハラで訴えんぞ?こんなデブスに人生丸潰れにされたくなければ、これ以上近づくな」
「なるみさんに人生を丸潰しにされるなら、それもまた一興かと」
「この変態!!変人!!近寄るな!!」
っんもお、我慢ならん!!
お前は入室禁止だクソ狐!!