くそがああああああ!!
13
料理を待つ間にゆかりさんが先陣切って男子たちに質問を投げかける。
どういう内容の仕事なのか。
週末はどんなことしてるのか。
どういうタイプの女の子が好みなのか。
その他諸々。
話が勝手に進んでいくのはありがたいけど、その質問がまんまこっちに投げかけられるからつらい。
仕事の内容は、渡辺先輩と口裏合わせてなんとかなるものの、週末とタイプについては答えるまでに悩みまくって一分はかかった。
で、結局、
「週末は……基本的にお家から出ません。タイプは優しい人がいいです」
素直に答えた。
ただ、タイプの優しい人ってのは、あたしを人間扱いしてくれる人って意味だから。
そうこうしてるうちに料理がきて、食べながらそれぞれ向かい同士のペアで会話を始めた。
あたしの向かいの男ーー名前忘れたーーは、黙々と料理を口に運びながら話を聞く“フリ”をしているあたしを気遣って声をかけてくる。
「月川さんは、どんな本とか読むの?」
うわ、そこ掘り下げる?
こちとら根っからの文系ぞ?
「……ライトノベルがほとんど、ですかねえ」
頼む、もうこれ以上掘り下げんでくれ。
掘り下げられないように先手を打って質問を返すことにする。
「本は読まれますか?」
「実はあんまり。おすすめの本とかあります?」
女が読むライトノベルを男に勧められるわきゃねえだろうがよおおおおおおくそがああああああ!!