いじめてやろ
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「単刀直入に言います。宗辰お兄ちゃんと慣れ合わないでもらえますか。というか、宗辰お兄ちゃんとあんたじゃ全然釣り合わないし。お兄ちゃん優しいから、同情で遊んであげてるだけだから。調子乗んな」
ほえー、すごいすごい。
こんなこと本当に言っちゃう子っているんだなあ。
まあ、こんだけ可愛けりゃ、多少性格がねじ曲がってても許せるわ。
いやあ、女子高生のやきもちって微笑ましい。
でも、ちょっと腹立ったからいじめてやろ。
「一つ、言わせて」
「なに?美月にこんなこと言われたって、パパに言いつける?」
「そんな卑怯なことしたりしないよ。ーーさっき美月ちゃん、朝倉先生があたしに同情して遊んでくれてるって言ってたよね。あたし、朝倉先生のこと全然知らないんだけど、朝倉先生ってそんなクソ野郎だったんだねー」
美月ちゃん、少し怯む。
「あ、あんたに限ってはってことだから!」
「たとえあたしだけだったとして、そんなことするようなクソ野郎とはもうお近づきになりたくないなあ。ーー美月ちゃん、朝倉先生のこと、教えてくれてありがとう。もう二度と近づかない」
美月ちゃん、苛立ちを隠せてない。
自分で言ったことだから言い返せないのが相当悔しいらしい。
もうちょっといじめてやろ。