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わしにその女子力の輝きは強過ぎる
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店は、大学がある駅の隣の駅にある居酒屋チェーン店だった。
渡辺先輩に花村を、花村に渡辺先輩を軽く紹介して三人で店へ向かう。
渡辺先輩と花村は、持ち前のコミュ力で既に意気投合していた。
あたし別にいなくていいじゃん。
二人とも花柄ワンピとゆるふわスカートという女子力てんこ盛りの格好してる。
靴のヒールも高くて、アクセサリーまで凝ってる。
あまりの女子力の高さに、一瞬にして消し飛ぶかと思った。
そういうあたしは、ブラウスにプリーツガウチョ。
楽なのが一番。
「テンション低いよう、なるみ」
と、花村に突かれる。
あたしは無理やりにでもテンション上げることにした。
「美味しいご飯あるかなあ!」
「そっちかよ」
……帰りたい。




