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ふざっけんじゃねえぞ!
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まじで!こいつ!ふざっけんじゃねえぞ!
「なるみさん、図書館ですから」
宗旦狐、顔を歪めながら「しー」と口元で人差し指を立てる。
「しーっじゃねえ……!!」
あたし、宗旦狐に手で口を塞がれる。
宗旦狐は周囲に頭をへこへこ下げて、あたしの手首掴んで図書館を出た。
駐車場に停めてある一台の車の助手席にあたしを乗せる。
そして、運転席に座ると、宗旦狐はこう言った。
「完全に不審者ですね、俺」
「わかってんならやんなっ!!」
なんでちょっと楽しそうなんだよ腹立つ!
「少し落ち着きましょう。大丈夫です、なにもしませんから。はい、吸って、吐いて」
腹立つけど、とりあえず深呼吸する。
深呼吸してから、宗旦狐を思いっきり睨む。
「今度やったらまじで警察呼びますからね!」
「はーい」
はーいじゃねえよはーいじゃ。