46話目
打ち切りが決まった漫画のキャラクター達がどうにか物語を延命させようとするお話
新しい村に入った俺達は村人の沈んだ顔に気づく。話を聞いてみると、なんでも満月の晩ごとに子供が魔物に連れ去られるという事件が起こっているらしい。
おとり参戦で何とか撃退することには成功したものの魔物には逃ゲラれてしまう。
翌日、この村の司教が魔物と同じ場所に怪我を負っていることに気がついた俺達は南の森に住むエルフの隠れ里から、真実の水をもらい…、わかりやすく言うと、中ボス戦の始まりだ。
自称ヒロインのお荷物と自称妹の魔法使いを後ろにかばいながら切りかかろうとする俺をアレフが制止する。
「ここは俺に任せろ。」
いや、ここは2対1になるように戦ったほうが安全。そう言うより速くアレフと司教が動く。
「「カードセット」」
ん?
「オープンカード指定、上段右から二番目。くっ、攻撃力100防御力1500のディフェンスカードか、これには攻撃できない。ならば下段ど真ん中に、自軍上段左はじのカードで攻撃た。」
「フッフッフッ、バカめ、そこにあるのはトラップカードだ。開けた瞬間に相手プレイヤーに500のダメージ。そしてこちらのターン、オープン指定上段右はじ。ほほぅ、貴様、つくづく運がないな、コスト1、攻撃力100防御力100か。ならばそのカードに下段左端の攻撃力1200のカードで攻撃。カードで後攻ボーナスで攻撃力+500つくので合計、1700のダメージ。」
「しまった、コスト稼ぎのクズカードを開けられた。」
なんだこれ?この世界はRPG風漫画に変わったんじゃないのか?
怪訝な顔をしているのに気がついたか自称妹が教えてくれた。
「カードゲーム漫画は商品化されれば儲かるのよ。お兄ちゃん。」
キラキラした目で下衆な事を言うなよ。
「何かね?不満かね?儲けが出るコンテンツになればこの世界は続くのだぞ。」
儲けを出したいのならそのどこに需要があるかわからない性格設定をどうにかしてくれませんかね自称ヒロインさん。
呆れて声すら出ない俺を無視してゲームは進む。
「その場所をコールするのか…、良かろう見せてやろう、このカードはエクストラカード、開けたのが大司教の場合のみ1000000のダメージ。」
クソゲじゃん。
あぁ、辺りが暗くなってきた。今週はここまでっぽい。ところでこれ、勝利エンドの部類に入るのかね?
夏より冬派