44話目
「君かね?私のつがいになる男というのは?」
なんか来たし。
しかし、なんで道を歩いているだけでこんな変な奴らと絡まなきゃいけないんだ?
「誰だよ。」
かかわり合いになりたくない気もすごいしたが、一応聞いてみる。
「私かね。私はこの漫画のヒロイン、内田美穂だ。よろしく頼むぞ。少年。」
少年って、なんでこんなに上から目線なんだ?
「お前、いくつよ?」
「ほぉ、早速私に興味を持ってくれたようだな。嬉しいぞ。女性に歳を聞くのは大変失礼な行為なのだが、よかろう、特別に教えてやろう。歳は22、数えで24だ。」
数え年とか言われても知らないよ。どういうカウント方式だよ。
「まぁ、良いや、ヒロインさんだっけか?って事は回復系か?」
「ふはははは、甘い、甘いぞ少年。」
どうしよう、もうすでにこいつがヒロインだと認識できなくなってきている。
「私はな、足でまといになるのもかえりみず、ひたすら自分の感情を優先して無駄にパーティーに加入し仲間をピンチにおとしいれるタイプのヒロインだ。」
「あっ、ウチはそういうの結構なので、これで失礼します。ではでは。」
無駄だとわかっていても逃げられるかもしれないので挑戦してみる。
「待ちたまえ少年。」
やっぱり無理でした。
「なんで好き好んで厄介事を背負い込まなきゃなんないんだよ。」
古いアメリカのドラマで見かけるようなヤレヤレというポーズをする自称ヒロイン。
「全く、最近の若者は効率化ばかり考えて、苦労を楽しむ心の余裕がない。」
お前より年上だよ。
「良いか、後半になったら魔王にさらわれるから、ちゃんと助けに来るんだぞ。」
もぅ駄目だ、このヒロインを好きになるビションが浮かばない。
あぁ、辺りが暗くなる。今週はここまでなのだね。
打ち切り回避のテコ入れとは言え登場人物が濃すぎじゃありませんか?
数え年とは昔の日本の年齢のカウント方式で、生まれたら1歳。次のお正月で+1歳となる仕組みです。