57話目
打ち切りが決まった漫画のキャラクター達がどうにか物語を延命させようとするお話
目の前の地面が爆発する。
皮膚が焼けただれるほどの熱風とコブシ大の石が襲い掛かってくるのを、自称妹の補助魔法と生きている盾、こと、自称ヒロインを身代わりにしてやり過ごす。
「勇者が現れたと聞いてわざわざ炎帝将軍ミーティア様じきじきに出向いてやったが、何だ、単なる屑ではないか。」
ピンクの巻き髪に扇情的な鎧をつけた女性から攻撃されたかと思えばいきなり失礼な評価を受ける。あー、でも、最近は自称ヒロインを盾変わりすることに一瞬たりと躊躇しなくなっているのでその評価は一部あっているかもしれない。
「せっかくなので良いことを教えてやろう。次の十字路を左に曲がってまずは水の都市で少女誘拐イベント、限定アイテム「魔道の書」を入手。次に強敵出現イベントで「悪魔の角」と「浄化の水」を手に入れてから今度は北の村に行く。と、炎帝ミーティア、つまり私が仲間になるイベントが発生するから必ずこなせよ。べ、別にあなた達の仲間になりたいから言ってるんじゃないわよ。あなた達のしょぼい戦力じゃこの先苦戦するでしょうから教えてあげただけなんですからね。」
「つまり俺達の事を心配してくれたって事?」
真っ赤になって否定しまくったと思ったら魔法を何発かぶっ放してミーティアはどっかに行ってしまった。
ふーむ、今度はツンデレですか。出過ぎて飽和状態に陥っているキャラクター性だけど、やはりベタにはベタの良さがあるね。
おっと、当たりが暗くなってきた。今日はここまで。
一番かわいい猫は黒猫だと思う。