旅立ち(改)
それからの俺は、昼間はこのばあちゃんちの玄関フードにいた。。
ばあちゃんは、優しくしてくれるけど、家の中には入れてくれなかった。
中には、どうも”お嬢様猫”がいるらしい。
あるとき、スキをみて、入り込んだら、”しゃあ”っと威嚇された。
おおこわ。ははは。ボーイソプラノだ。
それに、お嬢様のニオイじゃなかった。でも、同じ、男猫のニオイとも違う。
威嚇はされたけど、よわっちそうだ。
春になって、暖かくなったので、俺は、とにかくいろんな、女猫に声をかけた。
どうも、振られてばかりだ。昼間はふて寝。ばあちゃんちの庭は、いい匂いがする。
花畑で仕事してるばあちゃんが、
「お前の喧嘩好きにも、困ったもんだね。もうちょっとおとなしくできないもんかね」
それ、無理だから。
生存をかけた戦い。負ければ、子供も作れず、ここからも追い払われる。
ある日、俺は女がらみで、男猫と喧嘩して、傷だらけで、帰って来た。
「やっぱりだめだね。ちょんぎらないと。ケンカばかりじゃ、病気をもらって
くるし、今度、チャトラちゃん、動物病院へ連れていくわ」
ばあちゃんが、じいちゃんと話してるのが 聞こえる。
何を言ってるのか、わからないけど、俺は身の危険、(特に股間)を
感じ、この夫婦とさよならして、旅に出ることにした。
これが、俺の旅のはじまりとなった