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俺ってついてる(改)

秋の夜は、もう寒いくらいだった。

俺は、夏江おばさんの所を出て、車が事故にあった所まで来た。


ここで、大きな車とぶつかった。そして、反動で道の脇に転げた。

木が折れた後があった。

確か、こっちの方向に向かっていた。この道の先に街があるんだ。

俺はトボトボと歩き始めた。

コンクリートの道は、冷たくて、俺の手足の肉球は冷たくなってきた。

最後にもう一度、後ろを振り返り、道路の左側下の丘の麓にある夏江おばさんに、心の中でお礼を言った。それから また、俺は歩きはじめた。



肉球から寒さが伝わり、すぐに体中が冷えて来た。

体を温めるために、俺は休まず速足で歩いたんだ。しまったぜ。

こうなるんなら、もっと見回りをして、周辺を確認しておくべきだった。

(まあ、夏江おばさんは、出してくれなかったが)


俺の前を、茶色の犬のようなものが、横切った。

この鼻をつまみたいようなニオイは、キツネって種族だ。犬のようだけど

泣き声が、”ぎゃあぎゃあ”とうるさい。

ヤツラに見つかると面倒だから、しばらく木の陰に隠れることにした。


遠くから車の音が聞こえてきた。

俺は、より車の道から離れたところを 歩いてたはずだ。

それなのに、近づくその車は、俺の近くに止まった。

こんな夜中というより、朝が近い時間に、遊んで歩くクレージーな人間どもか?


俺は素早く木の上に上がって、そ知らぬふりをした。


「ほら、あそこ、チャトラのネコが木の上にいる。

きっと降りる事が出来ないのよ。かわいそう。助けてあげて」


茶色の髪の若い女性が、俺を指さした。

ふん、早く、行けよ。まあ、木の上でちょい休むってのもいいか。

どうせ。木登りの出来ない人間、ここまで来れないだろう。

俺は、タカをくくってた。

ところが、金色というより黄色の髪をした青年が、

「よ、このくらい朝飯前。すぐ助けてやるからな」

とドンドン木の上のほうまで登って来た。お前らがきたから、

ここに来たんだっつうの。


俺は、”くるな”と毛を逆立てながら威嚇したが、その青年は、めげずに

俺をがっしりつかんだ。手当たり次第に暴れたが、青年の来てる服は、

ツルツルすべる、ゴムで出来てた。ばあちゃんが、庭仕事の時にしてた手袋を

おなじようなもんだ。

抵抗むなしく、俺は青年に抱きかかえられて、茶色髪の女性話しかけた。


「なんか、これ野良ネコのようだ。汚いし、毛もバサバサしてる。

おれんとこで飼ってもいいかな。カギシッポの猫がいると、金運がよくなるらしい」

「あんた、いっつも貧乏っちだもんね。あれだけ働いてもさ。養わなきゃ

行けない弟妹多いしさ。大丈夫?食い扶持、一人、いや一匹分ふえるよ」

「猫くらいなんとかなるべ。俺はこのチャトラの四角い顔もお気に入りだ。

男らしいじゃねえか」

俺は飼われたくない。ニート君に会いに行く途中だ。

俺をだきながら若者たちの会話は続いてる。

俺は、抱き上げられて、この青年は、俺に害を加えないだろうとふんで、少し、おとなしくした。

少し体が暖かくなったのか、猫心地着いた。。

まったく、俺も甘ちゃんかもな。孤高の野良猫 ってわけにはいかないようだ。


そのまま車に乗せられ、街に向かってるようだ。

ついてるかも。街についたら、スキを見て逃げ出そう。

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