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混乱の中で(改)

俺は、とにかく外へ出た。

助けを呼ばなければ。でも、人間には俺の言葉はわからない。


「困った、誰か助けて」って叫んでるうち、近くの農家らしい家から

おばさんが、出て来た。

「まあ、大変だ、すぐ救急車を呼ぶから。ここ、携帯、通じない地帯なんだわ」

横をみると、おじさんが、頭から血を流しながら、携帯をいじってた。

手が震えてる。

「大丈夫ですか?旦那さん。今、救急車よびましたから、ここで座って待って

居て下さい」


事故の現場は、途中、通りかかった車で一杯になった。

そこに乗ってる人も、慌てておりてきて、おじさんとおばさんの介抱をしてた。

ニート君は?おじさんは、慌ててる。どうも誰かが車から出られないらしい。

ひょっとしてニート君か?


そのうち、白黒の車やら、白い車、赤い大きな車までやってきて、

もう、周囲は大騒ぎになった。

本来、俺は、騒がしい場は苦手なんだけど、彼の事が心配だ。

「おおい」と、呼びかけながら、乗っていた車の周りを ウロウロしてた。


「猫ちゃん、ここにいては作業の邪魔になるわ。

もしかして、事故にあった車の家族の猫ちゃんかな。ウチでとりあえず休みなさい」

その声と同時に、俺はグっと抱き上げられ、家の中に入れられた。

「私は、今、消防隊の人と話しをしてくるから、おとなしく待ってるのよ。

えっと、チャトラさん。家族の様子は、私が聞いてくるからね。ここにいるのよ」


”ここにいるのよ”とキツく言われたのは、わかったけど、どうにも落ち着かない。

家の中でも、”おじさん、おばさん、ニート君、えっと本当は健一だっけ”

呼び続けるうちに、さすがに声が枯れて、疲れてきた。

家の中はほんのり暖かく、いいニオイがする。

こんな時も お腹がすくんだな。俺ってやつは・・


「いい、おじさんも、おばさんも軽傷ですんだって。

甥子さんは、意識はないけど、足に重傷をおっただけだって。命に別状はないそうよ。

もう、病院に運ばれたから大丈夫。

落ち着いたら、迎えに来てもらえるよう、消防署の人に伝言しておいたから。

迎えがくるまで、ここにいなさいね。ね」


おばさんの話は殆どわからなかったけど、 ”迎えにくる”ってとこだけ

わかった。それまで、ここで待つんだな。


「ニート君はどうなったんだ?」

俺は、なんども聞いた。

「うmm。あのね、おばさんもおじさんも無事。若い人は、重症だけど大丈夫だって」

おばさんは、俺が聞くたびに、何度もこう答えてくれた。

なんとなく意味がわかったきた。

皆な無事。・・よかった。俺は さすがに疲れた。そしてその日は、朝まで寝てた。

夢も見なかった。


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