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ジャンルを文学→恋愛に変更致しました。
付き合うようになったと言っても、私と美也子の関係は変わらない。
思いついたように何かを言い出し行動に移す美也子に、振りまわされながら一緒に行動する私。
仰天することも多々あったけれど、そんな日々はとても楽しいものであった。
その後一年経ち、私も中学に上がったが、美也子とは別の学校だった。
学年は一年下ではあるが、受験競争に特化した塾に通っているおかげで進みは早い。
しかもその塾で在籍していた選抜クラスが一学年時には中学三年間の基本をすべて終わらせるようなハイスピードな所だったので、時折美也子に勉強を教えることもできた。
私に勉強を教わりながら、美也子は自分の方が年上なのに~、と少し複雑そうな顔をしていたが、それがまた特別に可愛らしかった。
そんな美也子を見ながら、高校はぜひ同じところに通いたい、と私は思った。
一緒に学校に通うスクールライフ。
それは、とても魅力的なことに思えた。
そのためには、学校は限られる。
あまりに私自身の成績の水準を下回る学校は、希望しても親に却下される可能性が高い。
また、私と美也子の通学可能県内で、美也子の現時点での合格判定より少し上、私が通うのに許可されるであろう高校を厳選し、それを美也子に伝えた。。
美也子は快諾してくれた。
そして、言ってくれた。
当然だよ、と。
だって私もそう思ってたんだもの、と。
そう語る美也子の笑顔は、まるで太陽のように輝いていた。
やがて、美也子は努力の甲斐あって無事目的の高校に合格する。
全力は尽くしたが合格には結構際どいラインだったので、気が気じゃなかったと、美也子は私の抱きついて喜んだ。
後は私の番だと、こちらも頑張った。
主に親と学校と塾への説得で。
親よりも高い水準への合格・進学数を出し名を高めたい立場の学校や塾と揉めた末、他も受験はするが通うのは美也子のいる高校で、ということで話がついた。
そんな経緯もあったが、無事合格し美也子と同じ高校に通えることになった私に、当然美也子は大げさなくらい喜び、祝いの品をくれた。
美也子からもらった、初めての手作りのクマのマスコットだった。
鞄などにぶら下げられるようストラップもついているそれは、はっきり言って不格好だった。
ポイントになる目の位置はおかしいわ、糸はあちこち飛び出してるわ、それどころか、綿も荒い縫い目の布の間から出ている。
だが、あまり女性らしい趣味のない美也子がどんな様子で作ったのだろうかと想像すると、それだけで胸があたたかくなるような気持ちだった。
結果、それは高校三年間学生鞄にぶら下げていたのだが、「それは何の妖怪のキャラだ」という、あまり周囲の指摘の多さに、美也子は外すよう何度も私に言ってきた。
もちろん、外さなかったけれど。
美也子、君がせっかく私のために作ってくれた大切なものだもの。
愛おしく思い、大切にして、いつも身につけておきたいと思っていて当然だろう?
もちろん、一番は美也子、君自身だけれども。
おかしい。主人公、初期設定は勢いのある美也子に押される気の弱い少年で徐々に美也子に情を持ってくる、という予定だったのが、うっとうしいほどの暑苦しさで愛を語る、ヤンが入ったものに……。不思議です。