第一話 「出会い」
早朝。
六時を告げる神殿の鐘が鳴るより前。
王都にあるシュタットフェルト家の屋敷の中で、私は静かに息を整えていた。
「すーはー、すーはー」
これからやる事を思うと息が詰まりそうになる。早鐘を打つ心臓を落ちつけようと、右手を胸元に当てる。汗をかいて冷えていたかせいか、手のひらが冷たくなっていたのを自覚する。薄手のパジャマ越しに私の体温と、心臓の鼓動とが伝わってくる。それに首から下げている銀製の首飾りの存在も。
自分の胸で暖められていたそれの感触に、幾分心が落ち着く。目を閉じるともう一度深く息を吸っての深呼吸。
「……すーはー」
胸に押し当てた手の平の中には、母さんがくれた首飾りがある。その暖かな存在に勇気を貰いながら、ゆっくりと目を開ける。眼前には、王都に越して以来布を被せて隠してきた姿見がある。
「……」
この中に"鏡"がある。今までずっと苦手に思ってきたものだ。
人はそういった苦手な物に立ち向かうとき、少なからず怖さを感じるものだ。今倒れてしまっては大変な事になる。そういった意味での怖さでもあるんだ。震えてしまっても可笑しくない。
だからそう。この震えはそういった類のものであって、魂が揺さぶられるようなあの"違和感"に対する恐怖からではないと思いたい。
今の私ならやれる。そう言い聞かせながら一睨みすると
「……よしっ」
胸元から姿見を覆う布地へと、暖められた右手を伸ばす。左手に持つブラシを今一度握り締めると、一気に覆いを振り落として―――
○ ○ ○
「おや、アズマリア。髪型を変えたのか?」
王女殿下との初顔合わせの日。
屋敷の食堂へと降りてきた私を見て、ロッテ姉さんは開口一番そう尋ねた。
「はい、せっかく殿下にお会いする日なので気分転換しようと思いまして」
髪型の事を聞かれるのは分かっていたので、落ち着いた声で返す事ができた。ロッテ姉さんがしげしげと新しい髪形を眺めている視線を感じながら、いつもの席へと腰を下ろす。
部屋着の襟を治す振りをしながら、首元に架けられた銀の首飾りを軽く撫でる。
(お母様、アズマリアは見事やり遂げましたわ)
激戦のなごりで早鐘を打っていた心臓の音さえ今は誇らしい。そう、ついに私は己の仇敵に打ち勝ったのだ。
(ふふふ、まるで生まれ変わったような気分です)
ロッテ姉さんがわざわざ指摘するまでもなく、私の髪型は昨日までとは丸っきり異なるものへと変わっている。
いつもの私は髪を三つ編みのお下げにするか、無造作に一括りにしていた。それを今朝は櫛で丁寧に梳かれたストレートにしている。
(あれほど苦手に感じていましたが、もう鏡など恐るるに足らずです)
当然ただ櫛を当てただけではない。鏡の前に立ち、ひと房づつ丁寧に丁寧に伸ばしてきたのだ。その美しさは、イリス姉さんにしてもらった時と遜色ないものと自負している。
(これで私も一端の女の子。いえ、立派な乙女といっても過言ではありませんね)
あれほど嫌だった鏡の前に立つ。そして、自分の顔を見つめながら自らの髪を整える。
たったこれだけ。たったこれだけの事が、今までどれほど難しかった事か!
それを成し遂げた今、私の機嫌は天をも突き抜けんばかりに上がり続けるのだった。
(長年のトラウマに終止符を打ち、我が仇敵たる『彼』の邪悪な意思を打ち負かす。御伽噺にある英雄譚と遜色ありません。まさに私の大勝利ではありませんか!!)
「くふ、ふふふ。ふふふふ……」
遅れて食堂へとやってきたケント兄さんが、私を見るなりギョッとした顔になる。そんなに私が髪型を変えてのに驚いたのかな。乙女に対してその顔はないだろ。そう思いながらも問い詰めたりはしない。なぜなら今朝の私はとても機嫌が良いからだ。
心の奥底から湧いてくる勝利の喜びに内心震えていると
「……アズマリア。声が出てるぞ」
頭が痛いとばかりに片手で眉間を押さえながら、ロッテ姉さんがそう教えてくれた。
――お?。
深呼吸を三回繰り返し、心を落ち着ける。うん、問題ない。
そうしてからさりげなく話題を変えるべく
「そういえば今日の服装って本当にドレスじゃなくて良かったんですか?」
その事をもう一度確かめてみた。昨日聞いた話だと畏まった格好じゃなくていいって事だったし、いつもの様に白のブラウスに紺色のロングスカートという出で立ちなんだけど。それで大丈夫なのか不安だったからもう一度聞いてみたんだけど
「……」
ジッと此方を睨みつけられているロッテ姉さんの様子を見るに、誤魔化しは許さないぞと言われていた。うん、確かにこれは私が悪い。
もう一度胸に手をあて大きく息を吐くと、姿勢を正してロッテ姉さんと向き合う
「貴族の娘として恥ずかしい事をしました。ごめんなさい」
そう言って頭を下げる。"鏡”を克服して浮かれていたからといって、姉さんからの注意をおざなりしちゃいけなかったよね。
「うん。アズマリアがちゃんと謝れる子で嬉しく思う」
私がちゃんと反省したのを見て取って、ロッテ姉さんの顔も和らぐ。いくら鏡を見られるようになったからと言ってはしゃぎ過ぎだった。
「――ところでどんな事を言っちゃってました?」
聞くのは恥ずかしいが襟を正すためにもきちんとせねば。それにこれからの事を考えれば、この癖は今のうちに矯正しないと拙い事になる。
『前世』に関することは口が裂けようが表に出してはいないだろうが、それでも万が一という事もある。気を引き締めるためにも確認しないといけない。
「ん? ああ、なんというか、気持ち悪い感じの笑い声が漏れていたぞ」
先程までの表情から一転、目を泳がせながら答える姉さん。
とりあえず聞かれては拙い事ではなかった事に安堵する。王都に来て気が緩んだとあっては大変だからね。それにしても気持ち悪い感じの笑い声って……
「……」
どうしよう。自分の事なのにどんな感じだったか分からない。
ケント兄さんの顔を窺ってみても苦笑いしか返ってこないし、気になるけどこれは聞かないほうが吉だろう。というか無意識の内に笑い声を上げていたんだなんて。この癖は本当にどうにかしないとマズいよね。
そんな事もあり私たちの間に微妙な空気が漂っていたんだけど
コンコンッ
それも入り口のドアが叩かれるまでだった。
○ ○ ○
現れたのはこの屋敷のメイド頭をしているステラさんだった。ステラさんを始め、普段彼女達は私たち姉妹の私的な空間にはあまり立ち入らない様にしてもらっている。食事にしても最低限の給仕だけをお願いしているのだ。だから食後のお茶とかはいつも自分達で淹れている。
そんなステラさんがまだ食事中にも拘らずやってきたのなら
「――緊急か?」
それは国軍からの緊急連絡が入ったという事だ。
瞬時に顔を真剣なものに変えたロッテ姉さんが鋭く問う。しかしステラさんはあわてた様子もなく
「いえ、第五等級の通信でした。しかしお嬢様には最優先で回すように指示されております」
そういってステラさんは片眼鏡型の魔法具を差し出す。受け取った姉さんはそれを手早く装着すると小声で何かを話し出した。
(へぇー)
その様子を眺めながら、噂に聞く最新型の魔法具に目を奪われる。アレを装着するだけで遠くにいる相手と連絡が取り合えるというのだから凄い道具だ。
(『前世』でいう『けいたいでんわ?』というのもあんな感じなのかな)
学術院謹製の魔法具で、コストとか設備の問題でまだ数は少ないんだって。それでもすぐに連絡が取れるという便利さから、司令部付きのロッテ姉さんには支給されているそうだ。
(でもいったいなんの用事なんでしょうね?)
たしか第五等級というのは緊急性は低いもののはずだ。それでも休暇中の姉さんにわざわざ連絡を回してきたって事は……どうなんだろう?
そんな疑問を思い浮かべつつ、姉さんが報告を聞き終わるのを静かに待つ。片眼鏡越しに報告を聞いていた姉さんは、初めは真剣な顔で、次はだんだんと困惑した顔になり、最後は何か諦めたような表情になっていた。その変化にケント兄さんと顔を揃えて首を傾げ合っていると、ロッテ姉さんがため息と共に立ち上がっていた。
「すまないがこれから王宮に向かわなくては成らなくなった。アズマリアの立会いはケント一人で頼む」
そう言ってステラさんに出掛ける用意をと指示する姉さん。ステラさんもこうした事態には慣れているので、一礼するとすぐに食堂を離れていった。
「王宮にという事は、国軍で何かあったわけではないの?」
突然そう言われたケント兄さんが確認している。軍で何かあったのなら行き先は国軍司令部だ。そういった意味での問いかけに、
「いや、近衛との間でのトラブルだ。どうも私が行かなければ収拾が付けられ無くなっているらしい」
若干苛立ち気味に答えると、足早に食堂を去っていった。
「……休暇中のロッテ姉の手をわざわざ借りなければならない様なトラブルか」
「いったい何があったでしょうかね?」
残された二人で疑問を投げあうが、当の本人がもういないのでは分かるはずも無く。
結局は私たちも約束の時間が迫ってきたので、出発するために席を立ったのだった。
○ ○ ○
約束の場所であるアヤ・ソフィアへ向かうために馬車に乗り込む。驚いたことにこの馬車、私を迎えるために王室が用意したものらしい。馬丁さんの他にも近衛の騎士がひい、ふう、み……五人もおられる。
「……」
この厚遇ぶりに絶句する。そんな私の手を引いたケント兄さんに馬車に押し込まれる。戸が閉められると馬車は静かに走り出した。
「……」
窓から外を覗いてみれば、馬車を囲んで歩かれている近衛騎士の姿。そして何事かと遠めに眺めてくる王都の人達の姿が見えた。
騎士たちに守られながら王室の馬車に揺られる。女の子なら一度は憧れそうな情景だが、私としては場違いすぎて何とも言えない。むしろ恥ずかしくてどうにか成りそうなんですが。
「……てっきり昨日のように軌道車で向かうのだとばかり思っていました」
窓のカーテンを閉めながらそう呟く。内装はわりとシンプルだから普通の馬車と同じだと思えなくも無い。外界の風景を遮断することで幾分落ち着く。
「まあ今日は王女殿下のお客様って扱いだからね。無理も無いよ」
さずがにケント兄さんは私と違って動揺などしていないようだ。しかしその言いようだと
「――もしかして知っていました?」
前々から王室からの迎えが来ると知っていたかのようなのですが。
案の定
「ああ、うん。黙ってろって言われてたからね……」
ケント兄さんはそう白状なさった。
ここまで揃えばおおよその事情は読めた。大方昨日の時点でバレテいなければ、ここでネタ晴らしが行われる予定だったんでしょう。いきなり王室の馬車が迎えに着たのに驚いた私に事の真相を話して聞かせ、混乱したまま王女殿下とのご対面へと突き進ませ様としてたんだろう。初対面の相手に緊張し過ぎないようにとの配慮だと思えなくも無いが。
「……はあ」
(むしろ昨日の時点で分かっててよかったと思いますよ……)
王女殿下を相手にその場の勢いだけで乗り越えろとか無理難題です。
今朝は鏡のこともあってどうにか意識せずにいたのだが、こうして王室からのお迎えの馬車に乗っているとイヤでも意識してしまう。これから会うのが一国の王女様だってことをだ。
(そもそもユーリ殿下の事なんて、私はほとんど知らないんですよね)
知っていることといえば『女王陛下の人形姫』と呼ばれている事くらいか。
(私がご学友に選ばれるなんてちっとも思ってなかったですし)
だから父さんからの話を受け入れた後も、殿下についてはほとんど調べていないのだ。公の場にもあまりお顔を出さないらしいから、新聞にもめったに話は載らないし。私の家族の間でも話題に上がった事は稀だったように思う。
(こんな事になるのならもう少しきちんと調べておけばよかった……)
父さんは直にお会いした事があったって言っていたし、聞けば教えてくれただろう。
(……あれ?)
そこまで考えていて、ふと引っかかるものを感じる。そもそもなんで父さんは私に殿下の事を詳しく教えてくれなかったんだ?
新聞くらいでしか外部の情報に触れてこなかった引きこもりな私よりも、侯爵である父さんの方がいろいろと殿下の話も集まりやすいはずなのに。
(いや、私が聞かなかっただけなんですが)
それにしたって少しくらいは教えてくれてもいいものを。
(そういえば姉さん達もあまり話題にしてなかったような……?)
姉さん達から殿下の噂を聞いたことってあったっけ?
(『人形姫』の話はロッテ姉さんからだったかな?)
それともイリス姉さんからだったか?
どちらにしろ殿下のことで二人と話したのはこれ位だった気がする。イリス姉さんならお話しした事はなくとも、遠目にお姿を拝見した事位ありそうだし。ロッテ姉さんも近衛に知り合いがいるって前に話してくれてたから、人となり位は聞いてそうなものだが。
(うーん、まいっか)
結局今となっては後の祭りだ。それに私自身がもうすぐお会いするのだし。
それもただの謁見ではなくアヤ・ソフィアで共に学ぶご学友としてである。我ながら出世したもんだ。それでもつい最近まで領地の館を出た事もない『引きこもり姫』には荷が重いと思うのだが。
「――初めての友達は王女様、か」
無意識に言葉が口に出てしまった。それに気付いてはっとする。今朝直そうと決意した傍から漏れてしまった呟きに、咄嗟に口元に手を当てる。さっそく失敗しちゃったなと恥ずかしく思いながらケント兄さんの方をチラリと見てみるが、物思いに耽っているのか珍しく気付かれていなかった。そのことに内心安堵するも、口にした内容そのものに気が重くなる。まだあったことのない人のことを悪し様に言うのはいけないことだが、それども思ってしまうのだ。
(よりによって最初の友達が王女様ってハードだよ……)
『引きこもり姫』と『人形姫』の組み合わせってどうなのかな?
前向きに考えればお似合いのような気もするが、よくよく考えれば相手は私のことを『眠り姫』と呼んでいるのだった。その事実に気が付いてしまい、ますます気が重くなっている内に、馬車はアヤ・ソフィアへと到着していた。
通された部屋は学術院内の応接室らしい。らしい、というのはその部屋に通されるまでの間、考え事に耽っていて周りをよく見ていなかったせいだ。
(……アヤ・ソフィアの外観をまた見逃してしまいましたね)
昨日は途中で引き返したし、今日は馬車のカーテンを閉めていた。はじめて王都に来たときも城壁や城門を見逃してしまったし、こういった事には縁がないのだろうか。
(まあ、入学したらイヤというほど見れるのでいいのですが)
入学すればそれこそ毎日通うのだ。そういった意味では今日見れなくても問題ない。むしろ王都の城門のほうは帰省する時ぐらいしか機会が無い。やはり惜しい事をしたと反省する。
そんな事をつらつらと考えていたらいつの間にかこの部屋に通されていたのだ。
もともと神殿の建物だったせいか、内装自体はいたってシンプルな部屋だった。木目調の壁に細長い窓。窓の数が多いからか、部屋の中は明るい。ソファーやテーブルといった家具類は見るからに高級品だが、部屋そのものの雰囲気と調和している。そのため応接室としての昨日を持ちながらも、どこか厳かな空気が漂う部屋だ。
(っていつまでも惚けていてはいけませんでした)
気を抜くとつい別のことを考えたくなる。通された部屋のことなど観察している場合じゃないだろうに。これでは自覚している以上に緊張しているのが丸分かりだ。
すーはーと深く長く呼吸する。これからはご学友になるとはいえ相手は王族なのだ。高貴な方にお会いするのなら、シュタットフェルトの末娘として恥ずかしくない姿であらねば。
いまはもうあのローブの守りは無い。
気持ちを落ち着かせようと胸元の首飾りに手をやる。ローブの守りが無いのは寂しいし不安に感じるが、私には母さんのくれたコレがある。
(見守っていてくださいね)
心の中でそうお願いする。
隅の方で殿下の侍従っぽい人と話していたケント兄さんが、私に軽く手を振ると部屋の外へと出て行った。同じように侍従の人も部屋を後にする。いよいよ私一人だ。
○ ○ ○
どれくらいそうして待っていたのか。控えめなノックの音が部屋に響く。続いて王女殿下がこの部屋にお越しに為られることが告げられた。
(――いよいよか)
胸に当てたままの手を下ろすと、ソファーから立ち上がって姿勢を正す。
昨日から散々思い悩んできたけれど、結局王女殿下とどのように接すればいいのかは分からなかった。周りはどう思っているかは分からないが、私自身は酷く不器用なのだ。これ以上あれこれと考えすぎてもしかたがない。とにかく今は自分の役割を果たすことに全力を尽くそう。
「……よしっ」
軽く呟き気合を入れる。女は度胸だドンとこい!
そして開かれる扉。
入り口の脇に立った侍女の方が、ドアを抑えつつ頭を下げる。それを見て私も入り口に向かって頭を下げる。
軽く目を閉じつつ王女殿下の入室を待つ。何人かの足音。数にして二人かな。
そんなことを思っていると
「あなたが『眠り姫』のマリアちゃんね!!」
元気一杯な声でそう呼ばれた。
(やっぱり殿下にも『眠り姫』って呼ばれるんですかっ!!)
王室にまで浸透しているイリス姉さんの影響力が怖い。そう思いながらも『眠り姫』って言葉にとっさに反射して顔を上げてしまった。
殿下のお許しがないまま顔を上げるのはマナー違反だ。マズいと思いつつも殿下の顔を見てしまった私は―――
(……え)
目の前の光景に思わず心を奪われてしまった。
私とあまり変わらない背丈。それはまあ予想通りだ。
可愛らしいお顔立ちもまあ予想通り。
問題はそこではなくって。
(黒い)
くりくりっとした愛らしい目。腰くらいまである長い髪。
そのどれもが黒一色に染まっていたのだ。
それだけならばまあ、大陸では珍しけどいない訳ではない。引きこもりな私でも何度か見かけたくらいだ。
ではなぜ私が目を奪われたかというと――
(ち、近い……)
それは彼女の顔が私のすぐ目の前にあったからだ。
(ええっと。高貴な方としての作法はどこいったの?)
王族の方が率先して作法をすっ飛ばされると凄く困る。こっちはただでさえ一杯一杯なのに。頭の中で何べんも繰り返してきたシュミレーションの中にこんなのなかったよ?
突然どアップで近づいてこられて完全に固まってしまった私。
そんな私を見ながら嬉しそうなニコニコ顔の王女様。
これが私ことアズマリア・シュタットフェルトと、ユーリ・オルトティーヌとの初めての出会いだった。
※章のタイトルはいいのが閃くまで「仮題」としています。
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