表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今度こそ殺す。絶対。

作者: 久遠深奥

甘ーいのを目指した。

私は妖怪だ。


泣く子は黙り、誰もが恐れる大妖怪。


人を殺めたこともある。

脳髄を食らったこともある。

暇つぶしのためだけに子供を潰したことも。


何人も、何十人も。

それこそ、数えきれないほどに。


なのに…


あいつだけは、食べれなかった。


出会ったのは夏の日。

ちょっと話すだけのつもりだった。

殺す前のただの暇つぶし。

それ以上でも、それ以下でもないはずだった。

なのに。


――――『もし、私が妖怪だったらどうする?』

――――『ん?なんだそれ。俺食われちゃうのか?』

――――『―ねえ、どうするの?』

――――『どうもしない、かな。妖怪だろうと何だろうと、

     ここにいてくれるんだろ?それでいい』

――――『……ふーん』

――――『聞いてきたくせに…』



いざあいつの前に立つと、

不思議と体が動くことを拒否をして、

声を聞くと頬が熱くなって。


そして――――


――――『それでな、そしたら先公の野郎、チョーク投げてきやがってーーー』

――――『……ふーん』

――――『でさ、自分が投げたくせに「拾え!」とか言ってきてーーー』

――――『……ふふ』

――――『だからさ……おっと、もう時間か』

――――『……ぇ』

――――『じゃあな!またここで!』


そして、いつも別れ際に見せる笑顔で、私は我に返るのだ。




…明日こそ食ってやる。

絶対に。


もう何度目になるだろうか、思いを新たに、今日も私は眠るのだ。


ご視聴ありがとうございました。

『聴』はしてねえよって方は

アイポッドで曲を聴きながら

もう一度読み返しましょう。

上記の台詞の意味が解るはず。


この話は少なからず『夏目友人長』を参考にしています。

ほとんど別物だと割り切りました。

きっと大丈夫。


もちろん指摘以外の感想も待ってます。

恋愛系は初めてなので、どう感じたかぜひ!


では、また会えることを願って。久遠でした。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ