5、睡眠は大事だそうです
食後、魔王は半壊した城の被害状況を見るために城の中を歩き回る事にした。
しかし……
「何故ついて来る……」
「…………」
………無視かよ
食事所を出てから……
何故か勇者は魔王の後ろを金魚の糞のようについて来る
どうやら魔王を倒すつもりは無いらしい
しかし、負けた魔王からしたら常に勇者に監視されているようで、あまり愉快なものではない
後ろの視線が気になって仕方が無い魔王
「用事が無いならとっとと家に帰れ」
「………家まで遠いのな」
「じゃあ、その辺りで寝てろ」
「………床が冷たいから嫌」
「…………」
もう嫌……この勇者、ホント何しに来たんだよ____
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城の半分を見回ったところで恐らくもう3時半、城内の手下をあらかた回収し(上位の魔物を除き城の手下の殆どが魔王の分身である)、勇者は眠さに目をウトウトさせながらも未だ魔王の後ろについて来る。
「…………」
「……もう好きにしろ…」
流石に魔力を使い切った後に(今は多少回復しているが)城内を歩き回り、疲れてへとへとの魔王は寝室に向かう
部下達への報告は明日で良いか……
なんて思っているうちに寝室前に到着、寝室の扉を開き、ベッドに向かおうとするが………
とてとてとて……バフッ
扉の横を駆けぬけ
我先にと言わんばかりに何か銀色の物体がベッドの上に突っ込んでいった
何が起こったか解らずボケーっと突っ立つ魔王だったが……
ボウッと
薄く明かりが燈った
「………んなぁ!!??」
見れば魔王のベッドの上で至福の顔で横たわる勇者
「………フカフカ」
結界が辺りを照らしている……
「ふっふざけるなぁ!!!」
即座にベッドから引きずり下ろそうとするも無駄な努力に終わり
結局その夜……
魔王はソファ行きを余儀なくされた。
クオリティは書いているうちに上がる………かな