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24、勇者な友達


「………っん……」



目が覚めると勇者は見慣れたベッドに寝かされているのに気がついた、寝起きで暫くの間、思考回路が止まったままの勇者だったが

気絶する前にの事を思い出し

顔を青くして、起き上がった。


魔王は?……あの後一体どうなったのか?

何故ここに寝かされていたのだろうか?


疑問はすぐ隣を見て直ぐに解決した。

魔王はベッドの隣の机の上に肘をついて涎を垂らしながら船を漕いでいたのだ。



「……んぁ?…勇者…起きたのか」



勇者が起き上がった事に気づきうたた寝して目を擦りながら、語りかけてくる。

間の抜けた顔を確認して一つ心労が減る

だが……………


魔王が無事なのは解った。

しかし、妹の方はどうなったのだろうか?

今度は妹の事が気にかかる

戦いは恐らく魔王が勝ったのだろうが……

まさか…殺してしまったのか……



「……安心しろ、別の部屋に寝かせてある」



そんな疑念を察知したのか、魔王はそう告げた。

どちらも無事であることを知り、ようやく勇者心から安堵した表情を浮かべた。



「……………ありがとう…」



あんな事をされたにも関わらず、妹を生かしてくれた事に感謝した。



「お前の名前ってクリスって言うんだな」


今まで名乗った覚えは無い自分の名前を魔王の口から出たのを聞き

何故それを……と勇者は目を見開く



「いや、お前の……妹?……が呼んでたからな」



納得したように頷く………と

今度は不機嫌そうにジトジトと睨んで



「…………そっちだけ名前知ってる…」



一方的に名前を知られたのがよほど勇者には気に入らなかったらしい

何処の子供だと突っ込みたくなるような言い草だ

しかし、



「……確かに公平じゃ無いな」



相手の名前を知っておいてこちらの名前を名乗らないのは礼儀を欠くだろう



「俺の名前はナディア…ナディア・クラウスだ」



生まれた時に授かった名前を…今まで自分からは誰にも名乗った事の無い名前を誇り高く述べ上げた。



「………かわいい名前なのな」



正直な感想を述べる、魔王ならもっと厳つい名前を想像していただけに実際の名前とのギャップを感じた。



「……あまり嬉しくないな」



畏れられ畏怖されるべき存在の魔王への褒め言葉(?)に可愛いは微妙だ

そんな事を思いながら苦く笑い……



「ま、お前は気に入らない奴だが……友達としてなら少し認めてやるよ」



そう言ってニコリと笑い

勇者に手を差し出した。

突然差し出された手に一瞬微妙な顔をして戸惑ったように視線を動かしていたが、何か意を決して。



「……………ん」



勇者はその手をしっかりと握り返した。




これから更に更新頻度が下がりそうです。

短めに済ませるつもりだったのに結構長くなってしまった……


……最後まで書き切るかなぁ


どうか、生暖かく見守っていてください

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