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19/33

19、大富豪で勝負だそうです

五日間の日をかけてようやっと城内の掃除(&ついでに修繕)が終わって数日後



「わぁ、すごい……」



真っ赤に燃え盛る火の玉がファフニールの手の上を浮いた。


あれから日々の勇者の指導によりファフニールの魔術の腕は大分上達していた。

特に種族柄なのか火の属性の魔術は上達が早く

最初のうちはマッチの大きさの火を出すことも難しかったが

今では、水晶玉大のファイヤーボールも簡単に作れるようになっていた。

勇者も満足そうに頷く



「ふふん♪もう魔王様にも負ける気がしません」



調子に乗ってそんな事まで言い出した。



「ほう……なら試してみるか?」



どこから現れたのか魔王が半径一メートルはあろうかというファイヤーボールを頭上に出現させてファフニールを見下ろす。

恐怖に怯えるファフニール



パコ



「いっ!?」



聞き慣れた音と共に魔王の頭に突き抜ける激痛、床を転げ痛みに悶える魔王



「…………弱いものイジメはダメな」



「そそそ、そうですよ、魔王様」



その言葉を聞いて勇者は多少キツイ目で睨み



「…………ファー、調子に乗りすぎ」



「………うぅ、ごめんなさい」



調子に乗りすぎた事を素直に謝った。



___



魔王が回復してきた頃

悪戯な笑みを浮かべたラプラサスがやって来た。



「ヤッホー」

ラプラサスの手元にはトランプと“よいこのニャンニャ………


バゴッ


思わず魔王は壁に頭を減り込ませた。ラプラサスの右の手にあるのは先日異界の倉庫にあった“よいこのニャンニャン体操“のカセットの入ったレコーダー………


何故それを………



「………大丈夫……か?」



魔王の奇行に

困惑げな顔をした勇者が声をかけた。



「い…いや、なんでもない」



「?、まぁいいわ、みんなトランプやりましょう!!」



それだけじゃ無いだろう、という魔王の右手に注がれる視線を受けてラプラサスは更に続ける。



「負けたらこのニャンニャン体操をやって貰いまーす!!(勿論ネコミミをつけて!!)」



どうやら、あのニャンニャン体操の音楽を聴いて気に入ってしまい、他の人に躍らせようと画策していたらしい

案の定、そんな事だろうと思っていた魔王。



「俺は下りる」



賭けの内容を聞いて魔王はゲームを即座に辞退した。



「えー!?何でぇ!?」



何が『えー?何で?』だ!!!???


最終的に勝とうが負けようが面白がって自分を躍らせようとするのは目に見えている

何故自ら首を絞めるような真似を進んで出来ようか、いや出来まい(反語)

完全に口を閉じ、我関せずと

テコでも動かない決心をした魔王に



一言



「……はぁ……幻滅しちゃうなぁ」



ピクリと魔王の額が動いた


「どんな苦境にも堪えられる素晴らしい人だと思ったのに……敵前逃亡なんて……いや、やらないなら良いですよ」



ふん、と

嘘泣きで涙を流しながら

冷たく言い放ち部屋を出ようとするラプラサス



「良いんですか?ラーサ行っちゃいますよ?」



いつの間に(本当に)か魔王の隣にやって来たマンティークも外野から声をかける



「…ゃ……ょ」



魔王がボソッと呟いた



「?何ですか魔王様」



途端にドアに向かう足を止め、ニヤニヤとした顔をクルリと魔王に向けて顔を伺う



「やってやると言ってるんだ!その下らないゲームを!!」



そこまで言われたら、もうやるしか無いじゃないかと叫んだ

してやったり、の顔をしたラプラサスは直ぐに向き直り



「んでは、さっそく始めましょう!!」



さっそうとカードを配りはじめた



これから始めるのは、みんなのテーブルゲーム大富豪


机の真ん中に出されたカードより大きい数を出していき、出せなくなった所でカードを切って再びカードを出していき最初に手札が無くなった人が勝ち(大富豪)最後まで手札が残った人が負け(大貧民)となる


最大の数はキング、エース(1)、2と地域によって変化するがここでは2が最大

8切り、11リバース、革命、反則上がりのペナルティありのルール


手札を見てみると魔王の手札はそれ程、悪い物ではなかった


大きな数から小さい数まで、偏らずに万遍なくあるし………

……何よりも何にでも変化できる最強のカード、ジョーカーがある

これなら、負ける事はまずないだろう……


まずはラプラサスが最初にカードを出す。

次に魔王、マンティーク、勇者、ファフニールの順に回っていく


手札が良いとはいえ油断は出来ない

…………この勝負、絶対に負けられない、魔王は心して勝負にかかった。


_________

数分後…………



勝負も中盤といった所だろうか、



勇者がジャックをクイーンのダイヤで縛り、誰も出さない事を確認して10を出す



「そろそろ上がれますかねぇ」



手札を大分減らしたマンティークがふふふと笑いながら10の上にエースを重ね呟いた。



「うーん…」



続けてファフニールが

手札を出すかどうか迷った末

2で切って7を出す



ここまで、それぞれが順当に手札を減らしていく

順当も順当、

雑談を交えて

やっている本人達はそれなりに楽しんでいるが


描写する身からすると

変化がなさ過ぎて面白みに欠けるゲームだ…そんな思いが通じたのか……


ラプラサスは8でカードを切り



「かっくめ~い!!」



順に並ぶ四枚のカードを出す

全てのカードの順位を逆転させる革命を起こす


しかし、魔王も黙っていない

絶好のチャーンスと


キラーンと目を光らせ


ここで決着を着けようと勝負に出る



「革命返し!!」


ジョーカーを織り交ぜた4枚のカードで革命を返して通常状態に戻す。

ダイヤで縛っているし流石にこの人数で三回目の革命は出ないだろうと

これが流れれば最後のカスカードを出して上がりだ


よっしゃ、一先ず危機回避!!


と心の中で拳を握るが



「…………ん」



ここで魔王に死刑宣言……

勇者が再び革命を返してしまったのだ。


手元に残っているのは3のカード一枚のみ……


現在革命中で最弱から最強のカードに変わった3のカードだが


大富豪には

その時に最大となるカード、特殊なカードは最後に出してはいけない、というルールがあり

もしも、そのカードを然るべき場面で出した場合ペナルティとしてその人は強制的に敗者(大貧民)となる


因みに革命中の最大の数は3となる



「……………」



脂汗をタラリと垂らす魔王


ヤバい……このままでは……


………確実に負けてしまう


現状のままカードを出せば反則で強制的に敗者(大貧民)に

だが、流石に四度目の革命が起こる可能性は非常に低いし

例え、革命が起こったとしても今度は最弱のカードに成り下がった一枚ではよほど運が良くない限りどう考えても上がれる訳が無い


魔王は控え目に辺りを見回す

………幸いなことに今はファフニールの番で誰もこちらを見ていない。


今ならいける……


山札から適当なカードを抜き出して手札に加えようとコッソリと手を伸ばす。

が、素早くラプラサスの背中から触手が伸びその魔王の手を押さえ付けた。

ラプラサスのニンマリ顔が目に入った。



「ルール違反はイケマセンねぇ魔王様」



何だ何だと周りもこちらに注目する中、

淡々と告げてネコミミを手にとる



「はーい……罰ゲーム……」



目をギラギラさせながらネコミミを構えながら迫って来るラプラサス

正直言って怖い、めっちゃ怖い


顔を引き攣らせて震える魔王




……あらふしぎ、泣きたくなってきた。




いつも、面倒で書くのを省いてるor適当に変な事を書いてる後書きですが


たまにはマトモに書いてみます!!


さて、会話文でフルネームを使うのも違和感があったのでラプラサスとファフニールの略称、ラーサとファーというあだ名を使ってみました。


マンティークにも、マーティという略称を考えてみましたがいきなり三人の略称が呼ばれ始めるのは変だし

コイツだけ略称が微妙な感じがしたので取り敢えず保留


そのうち文章中の名前も略称に変わるかも(……いちいち打ち込むの面倒臭い)


……この後、魔王はニャンニャン体操を人前で踊るハメになる訳ですが

魔王様のなまめかしいニャンニャン体操を描写するべきか……


悩む所です……

(魔王の性格がマスマス変になりそう…)

何か注文がある方は感想板でどうぞ。






…ここまで駄文を読んでいただいた方々

どうも有り難うございます、

日に日に遅れる更新に

何かと至らない文ですが

これからも読んで頂ければ光栄です。




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