1、グッナイスリープ
文章を書くのが半端無く苦手な僕ですが果して最後まで書けるのか……
長くはしない予定ですが生暖かく見守って頂ければ光栄です。
ここはとある世界の魔王城、
……闇霧漂う暗黒の城の、その深層部に
薄ら暗い魔神の祭壇が存在した。
そして、その祭壇の前に存在する玉座に座る黒く長い髪に紅眼の青年風の人物、
この人物こそが魔王、魔族を統べる魔の王であり悪の権化、人間の倒すべき敵だ
魔王は踏ん反り返り彼の人物が来るのを待っていた。
(来たか)
重い扉の開く音が部屋を響き
黄金に輝く剣を片手に銀の鎧に身を包んだ騎士が部屋の大扉を開け放ち、中へと入って来た。
騎士は、玉座から見下ろす魔王をハッキリと見据える。
「ふふふ……勇者よ……よくぞ来た………歓迎するぞ!!」
魔王は勇者が入ってきたのを確認すると
手を広げ立ち上がり勇者を盛大に迎えた。
古くから歴史の中で幾度と無く繰り返されてきた宿命の対決
今ここに、魔王と勇者が対峙した。
「…………」
「俺を倒すために……今までお前のような勇者は何人もやって来た、しかし誰一人としてこの俺に剣の届いた奴は居ない……」
魔王は、世界を統べる力を持つ自らの力に酔いしれながら高らかに述べ上げた。
「果してお前に俺が倒せるか?」
挑発的な笑みを浮かべ勇者の攻撃を誘う
多くの勇者はここで勇猛なセリフを吐き出し、魔王の力に幾度となく返り討ちにされてきた。
(果してコイツはどう出るか……)
魔王は自分の勝利を確信しており、何があろうと対処する自信を持っていた。
勇者の苦悶の表情を想像してニヤリと口を歪める。
(さあ、何処からでもかかって来い!!)
しかし、勇者の口から出た言葉は誰しもが想像だにしない魔王の予想を完全に裏切るものだった
「…………眠い…」
「………は?」
訳も解らず硬直する魔王
目の前のその勇者は、そう言うと、もう興味ないとばかりに魔王から視線を外し、兜を面倒臭そうに脱ぎ捨て、その寝ぼけたやる気の無い顔と、汚れかかった灰色の髪を曝し
自分の周りに簡易的な結界を張り巡らせ
………どこから取り出したのか……とてもフカフカで気持ち良さそうなクッションを枕に横になり
「………お休み……」
あろうことかその勇者は倒すべき魔王の目の前で魔王に大した関心を示す事も無く爆睡し始め。
…………間の抜けた顔をした魔王が一人、立ち尽くしたまま、その部屋に取り残された。