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弱狼と英雄の杖  作者: Maaaaaaaaaaaaaaasa
ゼレニア国編
2/7

なんともない日々


『ピロロロロピロロロロピロロロロピロロロロ…』


目覚まし時計が鳴ったが、止めるのもめんどくさい。無視して寝るか…


「にんにく!なんで時計鳴ってるのに寝てるの!」


俺はきょうだいのガーリックにそう言われて起きた。ガーリックと2人でここに住んでいる。


にんにく「今日くらいいいだろ…」


ガーリック「毎日それ聞いてるよ!そして早く朝ご飯食べなさい!」


にんにく「はいはい」


年上のきょうだいは皆仕切りたがりなんだろうか。そう思いながら朝飯を食べた。


朝飯を食べたので遊びに行こう。今日はどこに遊びに行こうか。何も考えずただボーッと道を歩くだけでも良い、ニラと稽古の続きをするのも良い、図書館に本を読みに行くのもいい。決めた、図書館に行こう。


図書館への道をのんびり歩くのも、また良いものだ。


そう考えていたらもう図書館だ。ここの図書館は世界で見てもかなりの数の本があると噂があるすげぇところ。


とりあえず本を読もう、これ良さそうだ。


にんにく「…国語辞典?まぁいいや」


国語辞典なるものを開くと言葉やその読みとか意味とか由来とかがずらっと載ってる。


にんにく「どれどれ〜…剣鎧(けんがい)。読み方、けんがい。意味、二つの物事が食い違って…ツジツマが合わないこと。由来、ある商人がどんな鎧でも断てる剣と、どんな剣でも断てない鎧を売っていた。それを見た人がその剣でその鎧を攻撃するとどうなるかと問われ、商人は答えられなかった。…は?」


なんだこれ。これ一方が正しかったらもう一方は嘘ってことよな。詐欺だろこれ。


さて次の本を取ろう。


にんにく「料理本か、悪くない」


料理なんてほとんどしないけれども、料理を食べるのは好きだ。


にんにく「親子でできる簡単料理…、親かぁ……」


図書館ってこんなに難しい本ばかりだったか。難しいのは苦手だ。図書館はやめよう。


図書館を出て、次はどこに行こうか。そういえばそろそろ稽古の時間だ


『プルルルルルプルルルルルプルルルルル』


電話、こんなときに誰だろうか。


にんにく「誰だ?」


『ガーリックだけど。』


にんにく「どうした?」


ガーリック『洗剤買ってきてほしいんだけど。』


にんにく「財布無いぞ」


ガーリック『財布は常に持っておきなさいよ。ほら取りに帰って行ってきて。』


にんにく「財布あったところで金が…」


ガーリック『じゃ、よろしく。』


なんで出かけるときに言ってこなかったのか。いつもそうだ。まぁいいや、たまには買い物も悪くない。


家に戻ってサイフを持ってまた出かける。馬鹿げているよ。


めんどくさいから近所の店で済ませよう。


さて、洗剤が売ってある所に来たけれど、普段どの洗剤を使っているのか分からない。安いのでいいか。


適当に洗剤を取って会計を済ませた。財布の中身はちょうど無くなった。


家に帰って洗剤を置いた。さて稽古に行こう。


まずはニラの家に行って呼び出さないといけない。


ちょっとばかりまわりの家より大きな家。この国の王族は謙虚だ。強い熊族が世襲するのだから、その強さを見せびらかすためにもっと大きくても良いだろうに。


そんなことを考えつつもとりあえずインターホンを押す。


『ぴんぼーん』



しばらく待っても返事がない。留守だろうか。


「すみません。」


後ろで声が聞こえた。振り返ってみるとここの執事『シトルイユ』がいた。


シトルイユ「どうしましたか?」


にんにく「ニラを呼びに来た もうすぐ稽古の時間なので、」


シトルイユ「かしこまりました。ニラ様をお呼びします。」


にんにく「待て待て、アイツは一度眠ったらなかなか起きない 俺も同行しよう」


そう言って二人で家の中に入った。執事はそんな無警戒で雇い主の家に入れていいのか、昔からニラと一緒にいるからこそ警戒していないのかと、少し問おうと思ったが、面倒なことになっても面倒だ。


階段を上って右に曲がったあと、2つ目の左の曲がり道を曲がった先がニラの部屋。まるで迷路のようだ。


ニラの部屋に入ると、案の定ニラは眠っていた。サナギのように布団にくるまっている。


にんにく「執事さんはいつもどうやってコイツを起こしているんだっけ?」


シトルイユ「普段はベッドを揺らしたり、手を叩いたりなどをしていますが、起きた試しはありません。」


にんにく「はぁ…まぁそれじゃあ起きないだろうな」


仕方ない、またアレをするしかないか。

まずはニラに飛び乗ろうかね。


にんにく「行くぞ…」


『ドスッ』


ニラの腰を確実に蹴ったが、、


にんにく「まだ寝てるか」


次はシンプルにビンタでいこうかね。

手のひらいっぱいに力を込め、脇腹を狙う。


にんにく「起きねぇなぁ〜 腐っても熊族か」


にんにく「さて、どうすりゃいいんだこれ…」


ふと時計を見ると時間が迫ってきている。急がないと遅刻する。昨日のようにすればワンチャン起きるかね。


にんにく「おい!起きろ!遅刻するぞ!」



うん、無理だ。コイツを起こせる奴がいれば俺はソイツを賞賛する。


ニラ「ん…おはよう…」


にんにく「やっと起きた… 稽古に遅刻するぞ」


ニラを起こせるのはニラだけなのかもしれない。俺はこんな奴を賞賛しないといけないのか?


にんにく「行くぞ!早く!」


ニラ「ちょっとまって」


時間が迫ってきているというのに、マイペースな奴だ。俺はニラを無理矢理引っ張って走った。


急いだらなんとか間に合った。門の前には変わらずホウレンがいる。


ホウレン「今日は遅刻しなかったようだな。そうだ、久しぶりに模擬戦はどうだ?」


ホウレンの剣術は凄い。格上の存在との模擬戦で得られる経験値は大きいだろう。


いつものようにホウレンの家の中庭へ移動して、木刀を持った。


ホウレン「さあ、二人とも位置について。」


にんにく「あ?アンタとするんじゃねぇの?」


ホウレン「いつ私がすると言った?」


にんにく「言っちゃあいないけどよ……まぁいいよ、どの道格上相手は避けられないんだからな」


木刀を構えて立つ。昨日一日しなかっただけで久しぶりな感覚だ。さて、どう抗おうか。


ホウレン「よーい…始め!」


コイツの弱点は分からないが、やるだけやるか。


にんにく「オルァ!」


先手必勝だと思ったが簡単に受け流された。これが技術の差か。


木刀を打ち付ける音、構え、目線…どこを見ても隙が見えない…


互いに打ち付け合うだけではただ日が暮れるだけだ。そろそろ決着をつけよう……


刀を振り上げた。


ニラ「隙。」


気が付くと脇腹に木刀がぶつかった。


ホウレン「勝負あり。」


にんにく「!!!ッ………、回…復だ…」


おかしい。思うように回復魔法ができない。


ホウレン「言い忘れていたかな。ここは魔力を制限する結界を張っておる。」


にんにく「なんでだよ…!」


ホウレン「魔法で誤魔化す卑怯者がいるかもしれないからな。」


にんにく「まるで俺がそんな奴みたいな言い(ぐさ)だな。とりあえず結界解いてくれないか?すんごい痛いんだけど」


そう言うとホウレンは結界を解いてくれた。


適当に回復魔法『活性(かっせい)』をかけたので、また模擬戦を始めようかね。


ホウレン「無理はするなよ。」


にんにく「もう平気だ!模擬戦の続きしようぜ」


ホウレン「いや、今日は終わりだ。怪我をしたあとに模擬戦などするものではない。」


にんにく「今度こそ打ち負かしてやろうと思ったんだがなぁ…」


ニラ「ごめん…。僕が怪我させちゃったから…」


にんにく「煽りか?」


模擬戦前より元気になったのだが、ホウレンが許さないならできない。実に残念だ。


するとホウレンが家の奥から何かを持ってきた。水晶玉のような物を持ってきた。一体なんだ?


ホウレン「時間が余ったので、魔法をどれだけ扱えるか調べてみることにしよう。これは特殊なガラス玉だ。ここに魔素を注ぐことである程度分かる。」


そういうと、ホウレンは机の上に玉を置いて、さらに玉の上に手を置いた。しばらくすると、ガラス玉が目を突き刺すような程の光を出した。


ホウレン「どうだ?光の大きさは魔力を指している。大きいほど魔力が高く、鋭いほど魔素が多い。光の色は魔法の属性を表しており、得意な属性が分かる。」


ニラ「魔法の属性って?」


ホウレン「属性は火、水、草、電気、風、土、闇、光、無の9つがある。私の場合は白色に光ったので光が得意な魔法だと言える。」


にんにく「俺だとどうなるかね やってみていいか?」


ホウレン「良いとも。」


さて、特殊なガラス玉とは言っていたが、ただのガラス玉と遜色無いように見える。そんなことは置いておいて、ホウレンの真似をしてみよう。


…ガラス玉が緑色にギザギザと弱々しく光っている。


ホウレン「ほう、にんにくは魔力が非常に弱いようだが魔素量はかなりのものだ。属性は水のようだな。」


にんにく「草属性じゃないのか?」


ホウレン「緑色は水属性を指すのだよ。水属性が得意な者だと緑色に光る。」


実にややこしい。とりあえず次はニラの番か。


にんにく「ニラ!次はお前だ」


ニラ「…うん」


どこか元気が無いな。さっき俺をウキウキで叩き切っていたくせに。あ〜思い出したら痛みが思い出される…


ニラはゆっくりと手を乗せて、ゆっくり魔素を注いだ。青いような黒いような禍々しい色をしたぐにゃぐにゃな光がものすごい大きくなっている。


ホウレン「うむ…、これは…。とりあえず止めんか。」


ニラが指示に従ったところ、光はゆっくり消えていった。


ニラ「どうしたんですか?」


ホウレン「ニラは魔力が高くて魔素が少ない。属性は闇と電気が得意なようだ。」


にんにく「2つの属性が得意ってすげぇなぁ」


ホウレン「20人に1人くらいの珍しさだな。まぁ…それは置いておこうか。あの禍々しい光は、魔法を制御できず暴走させてしまうことの表れだ。」


ニラ「…。」


ニラが魔法を好まないのはこれが原因だろうか。聞こうと思ったがそれは無粋だな。


にんにく「まぁつまりお前は強いってことだろ!」


ホウレン「…そうだな、魔力の高さは一流だ。」


ニラ「…うん。」


にんにく「じゃ、俺らそろそろ帰るわ」


ホウレン「そうか、気を付けて帰るのだぞ。」


ニラ「さよなら。」



俺らはホウレンの家を出た。


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