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弱狼と英雄の杖  作者: Maaaaaaaaaaaaaaasa
ゼレニア国編
1/7

なんともない日々

素人なので、温かい目で読んでくれたらありがたいです。


「おいニラ!起きろ!行くぞ」


そう言われ目を覚ますと、狼の耳が生えた幼馴染みのにんにくがいた。


ニラ「ん…、おはよう…。」


にんにく「ようやく起きた…何度起こそうと試みたことか…」

ニラ「ごめん。」


にんにく「まぁいい、それより剣術の稽古の時間だぞ」


僕はにんにくに手を引かれ、いつも稽古をつけてもらっているホウレンさんの家へと向かった。


家に着くと、門の前には背筋が真っ直ぐで大柄な老人が立っていた。その人がホウレンさんだ。


ホウレン「遅い!何をしていたんだ!」


普段は優しいホウレンさんだけど、時間にだけは厳しい。


ホウレン「今日はもう稽古はつけん!」


そう言って家の中に入ろうとした時、


にんにく「何か代わりは無いのか〜?」と。


要求ができる立場でないことは分かってるのだろうか。


しばらくの沈黙の後、ホウレンさんからは意外な言葉が出てきた。


ホウレン「うちに上がれ、面白い話をしてやろう。」


にんにく「そうこなくっちゃ!剣術じゃニラに勝てっこないし」


それでいいのかと思ったが、家に入って椅子に座った。


ホウレン「好きに食べるといい。」


そう言ってクッキーを持ってきた。


にんにく「んで、面白い話ってなんだ??」


目を輝かせ、身を乗り出して聞いてた。


ホウレン「昔の話だ。ここに一人の英雄がいたんだよ。名前はアニス。当時では珍しく魔法を使える人間であった。アニスは優しい心を持っていて、よく人助けをしていたそうだ。

ある日、魔物…今で言うリザードマンに襲われている子どもがいたんだ。アニスはもちろん助けようと、魔法で戦った。だがリザードマンには効かなかった。魔法が使えると言っても弱かったのだ。」


にんにく「魔法なぁ…」


ホウレン「アニスは助けようと、必死に魔法を使った、だが効かなかった。気が付くと子どもは殺されていたそうだ。左腕と頭だけがその場に残ったらしい。」


にんにく「…、」


ホウレン「その日はずっと後悔した。ずーっとずっと。なぜ助けられなかったのか、なぜ魔法が効かなかったのか、あらゆる後悔が一つの結論を導き出した。自分が弱いのがいけない、と。次の日から毎日、血反吐が出ても魔術を鍛えた。大雨が降ろうが、大嵐が来ようが、何が起ころうとも続けた。そして次第に人助けより強くなることを優先し、魔術だけでは飽き足らず、剣術、弓術、色々なことを極め始めた。」


にんにく「闇堕ちルートか?」


ホウレン「そこから十何年か、自身の強さを証明しようと、魔王を封印しに行き、見事成功した。当時の王と民に英雄だと称えられた。その後、使用していた杖はアニスの出身国であるゼレニア、ここの国の中央広場の真ん中に置かれ、今も尚その杖は皆を見守っている。」


長い話が終わって、


にんにく「なんか生々しい所あったし、面白いわけではないし…もっとこう、どこをどう極めたのか、どのようにして魔王を封印したのか、面白い話ならやっぱりそこが欲しかった」


やはりにんにくには立場を考えて発言してほしいものだ。


ホウレン「長ったらしい話は苦手か?すまないね。」


ニラ「いや、興味深い話だった。」


ホウレン「それは良かった。おっと、もうこんな時間か。次は魔術の稽古の時間だろう?急がないと間に合わないぞ。」


にんにく「そうか」


ニラ「じゃ、ホウレンさんまた。」


僕らはそう言って家を出た。


魔術の稽古と言っても、誰かに教わっているわけではない。二人で特訓してるだけだ。


にんにく「よし到着」


いつも魔術の稽古をしている原っぱに着いた。


にんにくは端っこにある大きな木に的を貼り付けて、魔法の命中精度を高める練習をしようとしている。


的から5歩離れて、的に手を向けて、


にんにく「水!水!」


そう叫ぶとスプーン一杯にも満たないほどの水が勢いよく飛び出して、僕の方に向かってきた。後ろの方にいたのに。


にんにく「ん???不発か?」


ニラ「僕に飛んできた。」


にんにく「マジかごめん」


にんにくの魔法の精度は低いどころの話ではない。


にんにく「水は上手くいかねぇな、次は火といこうか」


ニラ「やめて危ない火事になる」


にんにく「そんときは水で消化すればいいだろうよ」


ニラ「君が魔法を当てようとしているうちに火は大きくなってくよ。」


にんにく「あー、火は水辺でやるか」


ニラ「そういうことじゃないんだけどね…。」


毎日のように同じ話を繰り返して飽きないのだろうか。


にんにく「じゃあ次は草だな、草!草!」


同じように手を的に向けて魔法を放つ。弱々しい茶色の葉っぱが1枚、そよ風に乗ってどこかに飛んで行った。


にんにく「お前の風魔法か?」


ニラ「違うただの風。」


にんにく「そうか そういえばお前ってあんまり魔法の練習しないよな」


ニラ「…魔法は得意じゃない。」


にんにく「んなわけないだろ?俺より上の実力はあるのにもったいない」


僕らは日が暮れるまで魔術の稽古を続けた。


日が暮れて家に帰る頃、にんにくに質問をしてみた。


ニラ「にんにくって、なんで剣術や魔術を学んでるの?将来の夢とか?」


にんにく「あ?将来なんて将来考えりゃいいだろ、俺はただ好きだからやってるだけだ」


ニラ「…。」


にんにく「じゃあ俺も聞こうか、お前はなんで習学んでんだ?」


ニラ「うん…、分からない…。」


にんにく「まぁ人が学ぶワケなんてどうでもいいけども」


ならなんで聞いたのかと、気になったけれど聞けなかった。



家に入ったら僕の親のアサツキが丁度、玄関にいた。


アサツキ「お、今日はどうだった?」


ニラ「いつも通りだよ。」


アサツキ「私はその“いつも”を知らないのだけれどね。」


僕は手を洗ったあと、自分の部屋に行った。


今日はいつもより少し頭を使ったような、そんな気がする。そのせいか眠たい。よし寝よう。


目覚まし時計を夕食の時間に設定してベッドに入った。重い瞼がゆっくり落ち…


『ジリリリリリリリリジリリリリリリリリ』


部屋中に響く目覚まし音で目が覚めた。


目覚まし時計を止めて、夕食を食べに部屋を出た。


食事をする部屋に入ると、今日も変わらず豪勢で彩り豊かなバランスの良い食事。食べるといつも通りに美味しい。美味しいけどなにか物足りない。


食べ終わってお風呂に入る。お風呂も変わらず花のようないい香りが漂っている。ボディソープやシャンプーは自分の体に合った物をただいつものように使うだけ。


お風呂から上がったら歯を磨いて眠る。


なんともない日が毎日のように続く。なんともないけど楽しい日々。だけどちょっと物足りない日々。


なにか刺激的なことがないかな……


『ジリリリリリリリリジリリリリリリリリ』


部屋中に響く目覚まし音で目が覚めた。だけどまだ眠い。


目覚まし時計を止めて寝よう。


温かい目で読んでくれました?

もしそうならありがたい限りです。もし温かくない目で読んだ人がいるのなら、もう一度、次は温かい目で読んでみてください。

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