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安楽椅子ニート 番外編15

大将「おい、お客さんだ。」

瀬能「はい。どうぞ、いらっしゃいませ。」

客「大将、今日は空いてるかね?」

大将「おお、どうも、立石さん。どうぞカウンターへ。お一人様ですか?」

立石「後から家内が来るんだがね。どうかね?」

大将「ええ。どうぞ。構いません。」

立石「それじゃあ、今日はご厄介になるよ。」

瀬能「・・・上着の方をお預かりいたしますが?」

立石「ああ、悪いね。」

大将「立石さん。今日はどうなさいますか?」

立石「そうだねぇ。ま、いつもの、大将のおすすめで。」

大将「お飲み物はいかがいたしますか?」

立石「冷やで頼むよ。」

大将「かしこまりました。」

瀬能「・・・お冷やでございます。」

立石「どうも。ありがとう。」

立石妻「どうも、うちのいる?」

瀬能「いらっしゃいませ。ご主人様でしたら、カウンターにいらっしゃいます。」

立石妻「あ、そう。ありがとう。あ、いたいた。」

立石「和歌子、こっちだ。」

和歌子「こっちだ、じゃないわよ。あ、大将、こんばんは。えっとねぇ、冷たいビール、ビールある?」

大将「ええ。ございますよ。」

和歌子「キンキンに冷えてる奴、ちょうだい。こっちはもう、仕事でクタクタなのよぉ。」

大将「お疲れ様でございますね。」

瀬能「・・・ビールでございます。」

立石「・・・乾杯するか?」

和歌子「するわけないでしょ?ばか、ああ。ああ、美味しい!最高!」

立石「お前なぁ。・・・大将の前だぞ?少し、品よく出来ないのか?」

和歌子「あたしはあんたと違って、粗忽なの。ねぇ大将?」

大将「・・・。」

立石「ほら、大将が困っているじゃないか。」

大将「・・・どうぞ、カニカマの軍艦と、ズワイガニの軍艦、その食べ比べでございます。」

立石「ほほぉ。また、洒落た趣向じゃないか、え、大将。」

大将「恐れ入ります。」

和歌子「カニカマと本物のカニじゃすぐ分かるでしょ?大将、ばかにしてんの?」

立石「和歌子!」

大将「・・・決してそんなつもりは。・・・奥様、一つ、騙されたと思って、召し上がってみていただけませんか?」

和歌子「そうねぇ。そんなに大将が言うなら。・・・ねぇ、お嬢ちゃん?ビール、おかわり、もらえない?」

瀬能「かしこまりました。」

和歌子「ありがと。やっぱり、ビールが最高ねぇ!ああ、美味しい!・・・そうだ。ねぇ、お嬢さん?あんたは分かる?カニカマと本物のカニの違い?」

瀬能「・・・。」

大将「・・・。」

瀬能「奥様。大将が用意したカニカマは、ただのカニカマではございません。カニカマ職人が三十年の歳月をかけて研究し、辿り着いた、究極のカニカマでございます。」

和歌子「まっ、大袈裟な。」

瀬能「ええ。決して大袈裟な話ではございません。カニカマはタラのすり身でございますが、このカニカマは究極の域まで達した、本物を超えるカニカマでございます。本物以上のカニと言って過言ではございません。」

立石「本物以上と言ったら、カニじゃないか?いくら何でも大将、言い過ぎじゃないのかね?」

大将「・・・私の方からは、是非、ご賞味いただきたいとしか、申し上げられません。」

和歌子「大将、相当な自信ねぇ!」

瀬能「私は事前に頂戴しましたが、確かに、究極と言われる所以が分かりました。この究極のカニカマは、ミクロ単位で、本物のカニを再現しております。カニの肉質、肉感は、筋繊維の方向による影響が大きいと言われております。他の生物と比べてその特徴が顕著だからこそ、カニらしさがあると言えます。加えて、甲殻類の筋肉は、豚や牛の哺乳類、鶏らの鳥類と明らかに、違います。甲殻類は骨がありません。それゆえ、骨からの影響を受ける事がありません。反対に、カニは海水からの影響を大きく受けます。例えば、塩分濃度。そして水圧です。これらの影響が他の生物の筋線維と明らかに違う触感を与えているのです。」

和歌子「・・・そうなの?」

瀬能「このカニカマは、カニの筋線維、一本を、すり身で再現しております。その筋線維を何百、何千、何万と組み合わせ、本物のカニと同じ筋肉の束、すなわちカニの身を作り上げております。そして、薄っすら感じる潮の塩味。その塩ですら、日本海の海水を釜で何日も焚き、水分のみを飛ばし、天然の塩を作り上げています。塩っ辛さの中に甘みを感じ取れる事でしょう。」

立石「ほぉ。・・・伊達ではないという事か、このカニカマは。」

和歌子「お嬢ちゃん、ま、そんな大そうな事はいいから、もう一杯、いただけないかしら?」

立石「おい、和歌子!せっかく大将がご厚意で握ってくれた寿司を食べる前に、そんなに飲む奴がいるか!」

和歌子「は?・・・あたしはねぇ、疲れてるの?ビールを飲んで、一息つきたいの?ねぇ、大将?あ、そうだ、お嬢ちゃん、あたしの分、あげるわ!これ、食べなさい?お腹、減ってるんでしょ?」

立石「・・・和歌子!」

大将「・・・瀬能さん、奥様のご厚意だ。頂戴しなさい。」

瀬能「・・・奥様、ありがとうございます。」

和歌子「ほんとビールが美味しいわねぇ。・・・大将、から揚げある?ビールには、から揚げでしょう?」

大将「ございますよ。只今、ご用意いたします。」

立石「和歌子!・・・あまり私に恥をかかせないでくれ!世界の最高格付けで、星の中の星と言われる大将の店だぞ?ビールとから揚げ?下賤の衆が群がる所とは一線を画すんだ。分かっているのか?」

和歌子「は~い!わかっておりゅませぇえん!あたしはねぇ、酔いたいの、分かる?ねぇ、分かる?ねぇ、大将?・・・お嬢ちゃん、カニカマとズワイガニ、どっちがどっちなのよ?あんた、あんたも分かったの?」

立石「待て待て待て。急かすな。今、食べてみるから。・・・うん。おおお。口の中に広がる深海の、どこまでも暗い海の色のようだ。そう、太陽の光すら届かない、海の底で暮らすカニの生命力を感じる。プリプリしているようで、縦に割ける、筋肉の弾力。カニが生きている。カニが歩いている。私の脳裏にカニが見える!そして、もう一貫。うおおおおおおおおおお!同じだ。先程、食べた軍艦と同じだ。まるで遜色がない!何故だ、どうしてだ!片方はカニカマだと言うのに。私の舌が騙されているのか!いや、ちがう。カニなんだ。二つの軍艦は、カニなんだ。どちらも、カニなんだ!本物のカニなんだ!」

和歌子「・・・んな訳、あるかぁぁぁぁぁい!ねぇ大将?」

瀬能「・・・こちらがズワイガニで、こちらがカニカマです。」

立石「は?・・・・え?・・・・どういう事だね?お嬢さん。どういう事だね、大将?私が納得いく説明をしてくれないかね?」

大将「・・・瀬能さん、正解だ。」

立石「・・・そんな!・・・あり得ない。これはどう考えても、両方、本物のカニだ!違いがあるなんて考えられない!」

和歌子「あんたがバカ舌なのよ!ねぇ大将!」

瀬能「・・・。」

大将「・・・。」

瀬能「立石様に、カニカマとズワイガニの軍艦、その違いをご説明いたします。あくまで私の主観でございますのでご了承下さい。やはり問題はカニカマの方にあると考えます。ズワイガニは本物であるから、それを基準に本物と、カニカマの違いを比べました。

立石様に一つ、お考えいただきたい事がございます。自然界に存在するものは、何ひとつ、同じ物が存在する事はございません。似ている様で似ていない。全てが不細工で、歪で、不完全だからこそ、自然界にある物は美しいのです。反対に、人工の物は、綺麗であるからこそ、無機質で気味が悪いものです。私達人間は、そんな不完全なものこそを自然な物として認識し、また、美しく感じられるものなのです。こちらの二つのカニの軍艦も同じです。不完全だからこそ美味しく感じるカニ。そして、一方は完璧すぎて本物を超えてしまったのです。それは自然界に存在しないものなのです。故にそれは、不気味であり、ニセモノであると言わざるを得ません。」

立石「と、いうことは?」

和歌子「あんたがバカ舌だったって事が証明されただけじゃない。ねぇ、大将?」

大将「・・・いえいえ。戯れにお付き合いいただきありがとうございます。」

立石「・・・はっはっはっはっは。これは大将に一本取られたなぁ。なぁ和歌子!」

和歌子「・・・。」

立石「・・・ん?どうした、和歌子?」

和歌子「・・・ねぇ大将、このから揚げ。揚げ方、変えた?」

立石「どういう事だ?」

和歌子「いつもと、全然ちがうじゃない。・・・う、ううん。ようやくあたしの口に合う、から揚げになったってだけよ。八十五点。合格よ。・・・まだ、満点には程遠いけどね。」

大将「奥様。ご指導、誠に、痛み入ります。」

和歌子「ねぇ大将。勝さん、これだけ、から揚げが上手に挙げられるようになったんじゃない。お寿司、握らせてあげれば?」

立石「和歌子、どういう事なんだ?・・・それから大将も。私にも分かるように説明してくれないか?・・・君、私に冷たいのを、もう一杯。」

瀬能「・・・かしこまりました。」

大将「おい!勝、入ってこい。」

勝「へい。」

大将「立石さんと奥様に、ご挨拶しねぇか。」

勝「・・・立石さん、奥さん、本日はご来店、ありがとうございます。」

瀬能「・・・どうぞ。」

和歌子「勝さん、お久しぶりね。から揚げ、美味しかったわよ。でも、まだまだよ。うふふ。」

勝「・・・ありがとうございます。」

大将「奥様、ありがとうございます。そう言っていただけると、勝の励みになりますんで。」

立石「どういう事だ?和歌子、お前、この人とどういう仲なんだ?・・・お前、まさか?」

和歌子「邪推すないで、気持ち悪い!あんたのそういう、土足で心情にズカズカ入ってくる所が嫌なのよ!・・・この人はねぇ、大将の所の一番のお弟子さんなのよ!」

立石「ほほぉ、お弟子さんか!」

和歌子「大将の所で、五十年もお弟子さんを続けていらっしゃるのよ!・・・あんたなんかと比べてもらっちゃ困るわ。」

大将「・・・。」

勝「・・・。」

立石「なんだと!」

和歌子「・・・なによ!」

瀬能「・・・ご主人様、奥様、大根の葉っぱの根本の部分でございます。」

立石「なんだこれはぁあ!」

和歌子「なにこれ?頼んでないわよぉお!」

大将「・・・。」

勝「・・・。」

立石「ウサギの餌じゃないんぞ!私に何を食べさせる気だ!」

和歌子「あんたはウサギ以下だからお似合いよ、ねぇ、お嬢ちゃん!ヒャハハハハッハハ!」

瀬能「・・・一度、お味見いただきたく思います。」

立石「おい君!私を誰だと思っているんだ!元華族の人間だぞ!私の口に合わなかったら、君、責任とれるのかね?君風情の人間では何の責任も取れないと思うが。・・・大将、これは死活問題だぞ!この娘が責任取れないなら、大将、あなたが責任を取らなくてはならなくなるぞ?」

大将「・・・。」

勝「・・・。」

和歌子「あら、美味しいじゃない!」

立石「・・・なんだと!」

和歌子「あんたみたいな偉そうに気取っているバカには分からない味だと思うわ。・・・それに、ビールに合う!お嬢さん、ハイボール、くれない?」

瀬能「・・・かしこまりました。」

立石「こんなウサギだかヤギのエサみたいなものが美味い訳が!・・・・・・美味い!美味いぞ!この舌に広がる、大根の微かな甘み、そして、これは胡麻か?胡麻油の独特の風味。そしてなにより、田舎の風景を思い出す。戦後、日本が焼け野原で何もなかったあの頃、田舎に疎開した時、私はいじめられていた。食べるものが無かったからだ。みんな貧しかった。そんな時、これを食べた。大根を買う金もない。捨ててあった大根の葉っぱを別けてもらい、油でいためて母と弟と三人で分け合って食べた。貧しかったが、幸せだった。これは、そう、母の味だ。失われた母の味だ!」

和歌子「あんた、泣いてるの?」

立石「私は感動しているんだ。幼少の頃の苦い思い出。亡くなってしまった母の味を、思い出させてくれた、このお嬢さんに。」

和歌子「良かったじゃない。ねぇ大将?」

立石「和歌子、明日、墓参りに行こう。」

和歌子「嫌よ。一人で行きなさいよ。ねぇ勝さん?」

立石「大将、このお嬢さんに、一杯、差し上げてくれないか?」

大将「・・・よろしいのですか?では、瀬能さん、立石さんからだ。」

瀬能「ご主人、ありがたく頂戴いたします。」

和歌子「大将、あたしはねぇ、まだまだ十分とは言えないけど、それなりに美味しい、から揚げを揚げられる勝さんに、もう少し、チャンスを上げて欲しいわけよ!五十年よ、五十年。大将の下で、毎日、毎日、修行してきてるのよ!・・・勝さんにチャンスをくれたっていいじゃない!」

立石「おいおい和歌子、随分、お弟子さんに肩入れするんだな?」

和歌子「あたしはねぇ、バカ真面目に律儀に、仕事している勝さんが好きなのよ。」

立石「和歌子、まさか!」

和歌子「あたしは、人間として尊敬しているの!あんたと違って。あんたみたいな傲慢が服を着て歩いている人間じゃない!勝さんは、ずっとずっと辛酸をなめてきた!そしてこれからもそうよ!そう、この人は、あんたともあたしとも違う、純粋に料理を愛している人なんだわ!だから、大将、勝さんにチャンスを頂戴!」

大将「・・・しかしですねぇ、奥様。」

立石「・・・和歌子にこんなに言われてしまっては仕方がない。私自身も欲の権化だと思っているよ。私は、好きなものは何でも手に入れてきた。富も名誉も女もだ。その和歌子が気に入ったんだ。どうかね、大将?」

大将「・・・立石さんにおっしゃっていただいても、うちにはうちのやり方があるんで。」

和歌子「大将、あたし、知ってるのよ。あなた、勝さんより下の弟子には、のれんを分けてあげてるんですって!どうして弟々子にはのれんを分けて、勝さんには寿司を握らせてあげないのよ!・・・勝さん、不平不満を言わないで五十年もがんばってるのよ!」

大将「・・・こいつには、まだ早いです。」

和歌子「え?」

大将「ですから奥様。勝には、まだ寿司を握らせるにはまだ早いと申し上げたんです!」

和歌子「五十年も下積みしてるのよ!早い事なんてないじゃない!」

勝「・・・奥さん。」

大将「奥様の前で大変、失礼なのは重々承知の上で申し上げますが、こいつは料理が下手なんです!・・・五十年、やって、まだ、から揚げもろくに揚げられない!そんな奴に寿司を握らせる訳にはいかないんですよ!・・・大きな声を出して申し訳ありませんでした。ご気分を悪くされたと思いますので、立石さん、本日のお代はけっこうです。申し訳ありませんでした。」

立石「いや、いいんだよ。大将も頑固だね。私は嫌いではないが。」

和歌子「私は嫌いよ。・・・勝さんがかわいそうよ。」

立石「まあ、和歌子。お前は飲み過ぎだ。・・・今日はお開きにしよう。大将、何か、口直しはあるかね?」

瀬能「・・・ショコラでございます。」

大将「・・・。」

立石「・・・なんだね?この。小っぽけな、カスみたいな。」

和歌子「チョコレートよ。」

立石「・・・チョコレート?これが?」

和歌子「あんたは値段の高いものしか興味がないと思うけど、世界で一番、美味しいとされているスイーツは何だと思う?」

立石「いや、わからんが?トリュフとかか?」

和歌子「・・・チョコレートよ。昔から神のデザートと呼ばれている。紀元前から、支配者が食べていた物がチョコレートよ。ローマやエジプト、当時の世界を牛耳っていた支配者がこぞって食べた、神の座へ頂くとされるデザートがチョコレートよ。しかも、これは只のチョコレートじゃない!」

立石「・・・そんな仰々しいものなのか?これが?」

和歌子「!・・・これは!」

立石「!・・・なんだ、これは!これが、チョコレートなのか!」

和歌子「舌に乗せた瞬間に、人間の体温によって、表面の下側、舌の上に乗っている部分が溶け出す。たった1ミリメートル大の上に、何層もチョコレートの層が重なっている!また、違う味に!なに、なに、なんなのぉおお!死んでしまう、死んでしまうわ、これは、これは、本当に、神の姿が見える!神々しい神の姿が!」

立石「・・・歴史の中に消えていった、たった数名の真の支配者が、この味を知っているというのか。恐ろしい。本当に恐ろしい物を食べてしまった。・・・大将、どうやってこれを?」

大将「・・・これは。」

和歌子「・・・勝さんよ。」

立石「・・・なんだとぉ!・・・五十年も修行をして芽が出なかった奴が、こんなチョコレートを作ったというのか!」

和歌子「勝さんはねぇ、寿司の修行を諦めずに続けてきた。修行の一環として、スイーツつくりを始めたのよ。少しでも料理の役に立つように。そのうち、勝さんのスイーツは、とある世界のスイーツ大会で優勝してしまい、いまや最高の星を獲得するパティシエになってしまったのよ!あたしが勝さんに出会ったのはそんな時だったわ。愚直に勝さんは、寿司への愛情と、大将への恩義をもって、修行を続けていたわ。勝さんの作るスイーツは、アメリカ大統領だとしてもすぐに食べる事は許されない。世界の富豪がこぞって、食べにくる、そんな味なのよ。あんたなんかに食べさせるのがもったいない位よ、あんたなんかが頼んだって、払える金額のチョコレートじゃないのよ!」

勝「奥さん、言い過ぎではございませんか?」

和歌子「・・・本当の事じゃない!ねぇ大将!」

大将「・・・。」

和歌子「・・・大将、ちょっとだけでいいから、勝さんにチャンスをちょうだい?」

大将「・・・分かりました。奥様がそこまでおっしゃられるのでしたら。・・・寿司はさわらせませんが、魚を使った料理から、仕込んでやりたいと思います。」

和歌子「ああああ!良かったじゃない!勝さん、良かったじゃない!」

勝「・・・奥さん、ありがとうございます。」

大将「勝、奥様に感謝しろよ。お前をいつも応援してくださっているんだからな。」

勝「へい。大将。ありがとうございます。」

立石「私も期待しているよ。はっはっはっはっは。」


ガラガラガラガラガラガラ


木崎「ああ、こんばんは。一人なんですけど、空いてます?」

大将「どうぞ、こちらへ。」

木崎「どうも。あのぉ、九百八十円のチラシ寿司セットで。・・・あの、店長さん?」

大将「ええ。なんでしょうか?」

木崎「あの、変なお面つけてるウェイトレスさん?あれ、ハロウィンか何かなんですか?時期が時期で違う気もしますが。」

ウェイトレス「・・・お茶です。」

木崎「はあ、どうも。・・・瀬能さんに似た人がここでバイトしてるとか聞いたから来たんだけど、瀬能さんが働く訳ないよなぁ。あのぉ、ウェイトレスさん、何かおすすめ、ある?」

和歌子「・・・から揚げ美味しいわよ?」

木崎「はぁ。そうですか。」


※本作品は全編会話劇となっております。ご了承下さい。

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