元野球少年、異世界へ行く
俺は今、大観衆のコロッセオの真ん中で、国一番の人気スポーツ?
姫を護れゲーム(翻訳おかしくないですか?)の
魔王軍のエースアタッカーとして、角付の帽子をかぶり
魔獣の皮のユニフォームを着て、手にボールを持って立っている。
ソルジャーの剣を避けて(ボールが)、
的のナイト、ガーディアン、プリンセス、全て倒せば俺の勝ちだ。
(キングの的はさすがに不敬ということで存在しない)
ジャッジの声が上がった。
「アタック!」
敵チームのソルジャーを俺をにらんでいる。
自分はいったい何をやっているんだろう?
どうしてこうなった?
ある日、異世界に転生した。
人間を襲う魔物がいる、剣と魔法の国だった。
だけど魔法は一部の貴族しか使えない。
銃もないので一般ピーポーは体力勝負。
元野球少年 現役草野球助っ人ピッチャーの自分は体力には自信があったが、
この世界では並以下である(泣)。
冒険者の下っ端としてなんとか生計を立てていた。
ある日ギルドの訓練場で的にボールを当てて遊んでいるやつがいた。
的当てなら俺にやらせろと無理やりボールを奪い、見事当ててやった。
それなら的当て勝負だという話になり、勝負にも勝った。
今度は姫を護れゲーム(翻訳おかしくないですか?)だということになり
いや、なんですかそれ、ルール知らないんですけど?
え? 的に当てればいい? まあそれなら
え? ナイトが妨害する? なんそれ?
剣に見立てた棒でボールを弾く? バットか?
それなら俺にまかせろ!
というわけで、打たれまいとカーブを投げてやったら
魔球を投げるとかなんとか大騒ぎになり
スカウトらしき人からゲームのプロチームに誘われ
入団しプロリーグで活躍してフォークも披露し
最優秀新人賞とやらをいただいた。
いやいや、これ野球じゃないじゃん
何のスポーツだよ、こんなのスポーツじゃないよ、
わけのわからないただのお遊びだよ、
実際、生活には何の役にも立たないよ?
と思ったが、富も名声も手に入るので、
ゲームの理不尽さは ぐっとこらえて、
郷に入れば郷に従え、
長いものには巻かれろ、
情に竿刺せば流される、
ケセラケラ、
もう何でもいいか、
なるようになれ。
おしまい