2人でお泊り会
「ひりょい」
ただでさえ大きなベッドを2つくっつけて私達が寝られるように準備してくれたらしい。私達が今日寝る部屋よとお母様に案内された客室には、広い広いベッドがあった。
「よいちょ」
客間は大人用なので、ベッドが少し高い。私はよいしょとベッドによじ登った。私よりちょっと年上なメイヴィスは私よりスムーズにベッドに上っている。
「それでは、お休みなさいませ」
今夜は2人きりで。ということで、アビーやセアラも、メイヴィスの乳母もいつもより早めに下がっていった。
(何だか楽しいね)
なぜかハヤテはちゃっかりと2人の間に寝そべっているけれども。でも、メイヴィスがハヤテの心地よい手ざわりの毛皮を嬉しそうになでているから、まあいいかな。
「おうちでもどうぶちゅかっちぇる?」
おうちでも動物飼ってる?と私が聞くと、
(……僕は動物じゃないし、飼われてるのとも違うんだけど)
ハヤテから物言いがついた。
(ごめん)
(まあ、言いたいことはわかるけど)
私とハヤテのやり取りに笑ったメイヴィスは、
「どうぶつはかっていないけど、お兄様がドレイクとけいやくしているの」
(ドレイク?火竜と?すごいね)
ハヤテが私より早く反応してくれたおかげで、ドレイクって何?と聞かずに済んだ。良かった。でもそういえば、今の陛下は、火竜と契約しているから、先王が予想外に早く亡くなった後、まだ若かったけど反対派が正面切って反対しずらかったと、シル様から聞いた。
とはいえ、先王の王弟派からひそかに命を狙われてきたし、王位継承権第2位のメイヴィスもこっそりと狙われ続けたから、メイヴィスが我が家に身を隠すことになったわけだけど。……権力にとりつかれた者とはどうしようもないものだ。
なんてちょっとかっこつけたことを思っていたら、
「ドレイクは、お義姉様と私にもよくしてくれるの」
とメイヴィスが教えてくれた。
「いいにぇ」
火竜が遊んでくれるとはうらやましい。
(ニコラ、良くしてくれるって遊んでくれるってことじゃないと思うよ)
私の考えを読み取ったらしいハヤテがすかさず突っ込んでくる。
「しょうにゃの?」
否定してもバレバレなので、開き直ってメイヴィスに聞いてみると、メイヴィスは苦笑交じりで頷いた。
「でもお義姉様はよく相手をしてくださったの。王妃としてお忙しいのにお時間を取ってくれて」
「しゅてきね」
素敵ね。
「うん。……お義姉様とお兄様に会えるのは嬉しい」
「うん。……でもしゃびしいにぇ」
でも寂しいね。
「……うん」
お互いに寂しさを認められたら、少し楽になった気がした。
「おねぇしゃまはどんにゃひちょ?」
お義姉様はどんな人?そう尋ねたら、メイヴィスは楽しそうに色々なエピソードを話してくれた。お義姉様だけではなく、陛下ではなくてメイヴィスのお兄様のこともたくさん聞いた。
もっともっとたくさん話していたい。確かにそう思ったんだけど。幼い体は眠気には勝てず。話足りない間に、気が付いたら朝だった。
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