エピローグ
そして千年後。
「「我は結晶世界を見守る神とならん!」。こうしてレッセイ・ギルドは東へと去り、助けられた七条と源上は涙を流して共に結晶世界の守護となることを誓うのでありました……」
ジャンジャンジャンジャンと鈴と太鼓が鳴り、終幕の銅鑼が鳴った。役者が出てきて手を繋ぎ、礼をする。
観ていた人々は万雷の拍手を送った。少女は手を叩きながら、
「やだ、ちょっと感動しちゃった。あの子が言ってた通り結構上手かったわね! レッセイが天から降りてくるところとか、中々斬新だったわ!」
青年は無言でいる。後ろでギルドたちが目頭を熱くしながら、
「いやー、よかった! 特に最期の化け物と戦うところ! わが師七条と源上がピンチといったところで颯爽と現れるレッセイ・ギルド! この話はどちらが正統かは中立のようだな」
「きちんとわが師の史書通り、七条が化け物との戦いで怪我をしたのを入れたのもよかった。史実ではあの怪我がもとで七条は亡くなっているからな。よくできている」
「さあさ、お客さん、おひねりお願いしまーす!」
着飾った子供が出てきてお客たちの前に箱を出す。皆それぞれ駄賃を投げ入れてやった。
「ああ、面白かった。久々に見たけど悪くないわねえ」
そういって少女は青年の方を見るとぎょっとする。
無表情の青年の頬には幾筋もの涙がつたわっていた。
「……随分、昔のことのように思える。昨日のように感じていたのに」
青年のつぶやきに少女は笑って、
「やあね、そりゃそうよ、千年も前のお伽噺じゃない。そんなに感動した?」
千年。
そう、千年も前の出来事。
青年は遠い目で未だ拍手喝采を受ける役者達を見つめた。
――千年前の自分の過ちと選択。
それももう――昔、昔のおはなし。
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