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第19話 博打は引く物じゃ無い。引きにいく物だ。

こちらの作品は、小説サイト「カクヨム」の方で最新話を更新しております。

是非そちらでもお読みください。

「おっさん! まだ賭けることは出来るか!」


「おお坊主! ギリギリだがまだ大丈夫だ。パドックを見てきたんだな? どうだった?」


「ああ。勝ちを確信したぜ」


「面白ぇじゃねぇか。誰に賭けるんだ?」


 俺は大金が入った袋を手に取っておっさんに告げる。


「堅物のモモ単勝に、10万Gだ」


「……正気か? 悪いことは言わねぇ、やめておいた方がいいぞ」


 そりゃ誰でもそう思う。ただ防御力が高いだけの人に賭ける奴なんていないだろう。


「大丈夫だおっさん。今日の俺はついてる。なんか当たる気がするんだ」


「そこまで言うならしょうがねぇ。後悔するなよ」


 金の入った袋を渡し、おっさんが数えるのを待つ。


「よし、きっかり10万Gだ。確かに受け取ったぜ。坊主に幸運の女神様が微笑むといいな」


 おっさんに別れを告げて闘技場に向かう。


「待て待て待て!! 何勝手に賭けてんだリオ!!」


「勝手にって……俺の金だぞ」


「そうだけどよ! もっといい賭け方があるだろ! なんで一番不人気の大穴に大金賭けてんだ!! スズネもなんか言ってやれよ!」


「リオがそう決めたならば、私はいいと思うぞ」


 スズネの甘やかし方が心地いい。


「スズネェ……お前までそんなこと言っちまったらもう誰もリオを止められないじゃねぇか……」


「いつまでもグチグチうるさいぞ。それに俺が勝てない勝負に賭けると思ったのか?」


「そんなにすげぇ奴だったのか?」


「ま、見てろって。どうやら第一試合のようだ」


 闘技場の2階に上がると、既に開会式は終わっていて第一試合の準備が進められていた。モモは第一試合だ。


 ちなみに武闘大会のルールだが、HPが50%を切った方が負けというシンプルなルールだ。即死に至る攻撃は無し。


 モモと対峙するのは、優勝候補の斧使いドルク。攻撃力が400オーバーの怪力馬鹿だ。


 モモの防御力は555なのでダメージは通らないようにも見えるが、攻撃は単純な足し引きではないので普通にダメージが入る。とはいえ微々たるものではあるが。


 それに引き換えモモは攻撃力が低すぎるので、ドルクに対して攻撃しても意味がない。1か2くらいしかダメージは出ないだろう。


「絶対勝てるわけがねぇ!! どうすんだよ10万G!! あの金でどれだけの酒が買えると思ってんだ!!」


 なんで全部酒換算なんだようるさいな。黙って見てろ。


 会場に開始の合図を告げる笛の音が鳴り響く。


 さて……やるか。


 モモは盾を構えていて、ドルクが盾をガンガン殴る。

 武器の攻撃力も追加されているはずだが、モモの持っている盾はなかなかに丈夫なようだ。


 痺れを切らしたドルクが渾身の一撃を繰り出すために踏み込むが、地面が少し泥濘んでいたようで滑って転んだ。運いいなモモ。


 そのまま盾でドルクを地面に押さえつけるモモ。ダメージはそんなに無いが、ドルクは立てないでいるので都合がいい。


 ドルクもなんとか立って攻撃を仕掛けるが、モモはなんとか耐えていた。そして——


 試合終了の笛が鳴り響く。


 勝者はもちろん、


 モモだ。


「なっ!? なんで勝ったんだ!? まさかリオ……」


「博打ってのはな、運良く引くもんじゃ無い。引きにいくもんなんだよ」


「お前それは……不正じゃねぇか!!」


 リオ

 ————————————————

 LV:49

 HP:1060

 MP:700


 STR:1   攻撃力

 DEX:264 命中力

 VIT:1   防御力

 AGI:603 俊敏力

 INT:118 魔法力


 スキル:持続ダメージ LV:1

 効果 :1秒間に自身のSTR値の攻撃を与え続ける。ON、OFF切り替え可能。永続。防御不可。


 激甘:スズネ

 金=酒:シズル

 何故か知らぬ間に勝った:モモ

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