第17話 新天地
こちらの作品は、小説サイト「カクヨム」の方で最新話を更新しております。
是非そちらでもお読みください。
「やっとドリューの街か。馬車の中は退屈だったぜ」
俺達はエルドラフの街から馬車で2日間かけてドリューの街に来ていた。
ドリューはエルドラフよりも栄えている街ということもあり、人の数も尋常じゃ無い。
「私達の生まれ育った街とは大違いだなリオ」
「そうだな。俺達も少しは大きくなっただろうか」
俺はまだ10歳、スズネは13歳だけど。前世基準で考えるとヤバすぎだな。
「何感傷に浸ってんだよ。柄にも無いな」
とりあえずはたく。
「いたっ! くはなかった。なんで叩くんだよ!」
「なんとなくだ。それより、ギルドはどこだ? さっさとその邪魔な荷物を換金したい」
「持たされているのはオレだけどな」
「文句があるのか? ならそいつの報酬は減額——」
「さぁこっちだ! オレは何度もこの街には来たことがあるからな! 付いてこい!!」
ちっ。シズルの奴この二日間で俺への対応を学びやがったな。他のイジり方を考えるか。
シズルの後を追いギルドへ向かう。ギルドへの道のりはそこまで長くは無かった。
早速ドリューの街のギルドを堪能するか。まずはファーストコンタクトだが……
「ハハハっ! そりゃお前がわる……おい、あいつ見ろよ」
「なんだあいつ……レベルの割にステータスが低すぎる」
「他の二人とのレベルにもバラツキがあるな……だが、STRとVITが1だと? 雑魚じゃねぇか」
「不運な野郎だな。それにしてもなんであんなにレベルだけ高いんだ?」
「どちらにしても足が速いだけの無能に変わりはない」
ふむ。前よりも印象は悪くないな。俺には箔が付いてきたようだ。
ではさらに箔を付けるとしよう。
「すみません、これの換金をお願いしたいのですが」
「えぇっと……お見掛けしませんが初めての方ですか?」
「はい。先程この街にやってきました。別の街でこの素材の換金をお願いしたのですが断られてしまって。この街でなら出来ると聞いてやってきました」
「そうなのですね。それでは中身を確認してもよろしいですか?」
「はい、お願いいたします」
シズルに顎クイで指図して素材の入った袋をカウンターに乗せてもらう。
受付嬢はその間に査定をしてくれる人を呼びに行ってくれた。
レベルが高いと受付嬢の対応も良くていい。若干見下されている感は否めないが。
「鑑定士のジロウです。こちらの方々が?」
「はい。他の街で換金を断られた素材みたいで」
「なるほど。それでは失礼いたします」
そう言って素材の入った袋を除く鑑定士。すると、
「す、すみません……この素材はどちらで?」
「エルドラフの近くにあるゴーレムの洞窟で獲りました」
「な、なるほど……まさかこの目でゴールドゴーレムの素材を目にする日が来るとは……」
その時、ギルド内にいた冒険者達が一層騒ぎ始めた。相変わらずの地獄耳め。
「ゴールドゴーレムだって!? あんなのどうやって倒したんだ!?」
「実は貴族様のボンボンなんじゃねぇのか? ほら、金で爆弾を買いまくってドンとか?」
「そんな爆弾の在庫抱えてる街なんてねぇよ!! 街が吹き飛ぶレベルの爆弾が必要なんだぞ!!」
フハハハハ。苦しゅうないぞ。
「すみません……口が滑りました。こちらの査定ですが、少しお時間を頂いても?」
「構いませんがどれくらいでしょうか?」
「そうですね……報酬も準備するとなると一週間は頂きたいところです」
一週間か。この世界も前世と同じ時間感覚なのだが、それにしても査定で一週間は長くないか? まぁ待つけど。
「わかりました。その間はクエストでもやっています」
「ありがとうございます。今は丁度武闘大会もやっているので、実力に自信がおありであれば是非参加してみてください」
武闘大会か。面白そうだな。
「それでは最後にギルドカードの提示をお願いします」
「あ、はい。お願いします」
左手をシズルに差し出すと、シズルがポケットの小物入れから俺のギルドカードを取り出した。うん。教育は順調だ。
それを受け取りそのまま鑑定士に渡すと、
「え……Gランク……!?」
「おい……聞いたか?」
「あぁ聞いたぜ……」
「あいつまさかの……」
「「「「「Gランクだってよ!!」」」」」
後ろからガハガハガハガハ聞こえる。結局こうなるのか。
リオ
————————————————
LV:49
HP:1060
MP:700
STR:1 攻撃力
DEX:264 命中力
VIT:1 防御力
AGI:603 俊敏力
INT:118 魔法力
スキル:持続ダメージ LV:1
効果 :1秒間に自身のSTR値の攻撃を与え続ける。ON、OFF切り替え可能。永続。防御不可。
出番一言:スズネ
従順:シズル
————————————————
宜しければブックマーク、評価をお願いします。