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新しい魔法のアイテムをメイドで試してみた

遠征で手に入れてきたレアアイテムをメイド頼んで試してみます。

 しばらく父親と会話したタリルは部屋にメイドのレフィーリーザを呼んだ。


「タリル様、薔薇とワインをありがとうございます。何か御用で?」


 レフィーリーザが上機嫌でタリルに聞いた。


「新しいレアアイテムを試したい」


 タリルが言うとレフィーリーザの顔が曇った。


「分かりました。タリル様、ところで、どんなアイテムですか?」


「レフィーリーザにお願いしたいのは、泥の杖、風の聖剣、眠りの指輪、妖精の杖、虹の鏡、聖女の指輪、忘却の杖だ」


「7つもですか?」


 レフィーリーザがさらに渋い顔をした。


「まあ、そう言わずに一緒に庭に」


 そう言ってタリルはレフィーリーザと庭に出た。まだ蕾のガーベラの花壇の前に行くと土の香りがした。


 まずは泥の杖を試してみる。縦に振るとレフィーリーザの足元が泥沼になって沈み、さらに泥に吸い込まれて溺れた。慌てて杖を上げると土に戻る。


「メイド服がどろどろですぅ」


 泥まみれになったレフィーリーザが恨めしそうな顔をしてこっちを見ている。


「ごめんね。レフィ、すぐ洗い流すから」


 風の聖剣に持ち変えて雨をイメージすると上空に黒い雲が現れて、レフィーリーザの頭上で雨を降らせる。スコールの大粒の雨がメイド服の泥を洗い流した。


「びしょぬれです。クシュン」


 風をイメージすると風が吹いてレフィーリーザを乾かす。晴れをイメージすると晴れてさらに乾かし、雪をイメージするとピンポイントで雪が降って、レフィーリーザの上に降り積もった。


「寒いっ! 凍りそうです」


 あられをイメージすると、あられがレフィーリーザを叩きつけた。ひょうと雷はやめてあげた。


「痛っ、いったぁ。折角、服が乾いたのにぃ」


 眠りの指輪をはめてレフィーリーザの前に突きだすと立ったまま眠った。


「・・・・・・・」


 妖精の杖を振ると下に振るとチャピのように小さくなった。


「わぁ、チャピと同じ大きさになった」


 チャピが喜んで近づくとしげしげとレフィーリーザを見た。上に振ると巨大化したのでチャピが逃げた。


「びっくりしたぁ。チャピ大きいの怖い」


 また下に振って元の大きさに戻した。レフィーリーザは眠ったままだった。


 虹の鏡をもってレフィーリーザをイメージするとタリルがレフィーリーザになった。

それを見たチャピが飛び上がって驚いた。


「タリル、メイドになった?」


元に戻れとイメージすると元に戻る。


 タリルは聖女の指輪をはめると、レフィーリーザを揺り起こした。庭のガーベラのつぼみに指輪を向けて時間が進むイメージをするとガーベラが咲いた。

 

「花を咲かせる指輪なんて素敵!」


 レフィーリーザがガーベラの花を見て喜んだ。


 レフィーリーザが言い終わるあたりに時間の経過を遅くしてみた。レフィーリーザがスローモーションでしゃべった。


「ゆーぶいーわーー なあんとえーーー すうてぇーーーきーーーー」


 そして止めてみた。


 聖女の指輪は対象の時間を早めるのも、遅らせるのも、止めるのもできるが、時間の逆回転は出来ないらしい。


 聖女の指輪をレフィーリーザに向けて時間の流れを通常に戻した。


 次にタリルは忘却の杖をもって、レフィーリーザに振ってみる。


「アイテムは試さないんですか?」


 レフィーリーザはさっき起きたことをすべて忘れていた。


 もう一度、聖女の指輪で咲いたガーベラの横にあるつぼみのガーベラを咲かせる。


「花を咲かせる指輪なんて素敵!」


 レフィーリーザはすべてを忘れて初めてのように喜んだ。


「あと一つあるので部屋に戻ろう」


 タリルは言うとレフィーリーザと部屋に戻って、先ほども使った妖精の杖でチャピの大きさまでレフィーリーザを小さくした。


「チャピちゃんと同じ大きさになったわね」


 ベッドの上でチャピと跳ねて遊んでいると近くを蜘蛛が通った。


「ひぃーーーー。巨大毒グモがいます! 助けてぇ」


 いつもより巨大に見える蜘蛛を見てレフィーリーザが腰を抜かした。


「もう結構です、元に戻してください」


 レフィーリーザが言うとチャピが残念そうな顔をした。


「いつもありがとう! レフィ」


 タリルはお礼を言ってレフィーリーザを手の平に載せた。


「どういたしまして」


 手のひらの上でポーズをとったのが妖精のように可愛いかった。レフィーリーザを床に置くと妖精の杖で元の大きさに戻す。


「では、食事の支度があるので私はこれで」


 レフィーリーザが部屋を出ていく。使えそうなものはあったとタリルは思った。


 次の日、レギーを部屋に呼ぶと早速仕事を頼んだ。


「仕事を依頼したい。首都ルシファナにいるロワールという男を調査してほしい。ロワールは油断ならない男だから、絶対に素性を知られるな」


「分かりました。旦那。では早速、ルシファナに向かいます」


「ちょっと待って」


 手を上げてタリルが引き留めた。


「レギーに渡したい新しいアイテムがあるんだ」


「それは楽しみだ。それでどのようなアイテムですか?」


「これは虹の鏡で、なりたい相手をイメージして鏡を見ると変身できる」


 タリルが鏡を見るなりマリアナに変身した。横で見ていたマリアナが自分を見てびっくりした。


「これは、潜入操作に使えそうですね」


 レギーが面白がった。タリルは元に戻る。


「これは眠りの指輪。こうすると相手が眠ってしまう」


 マリアナに向けるとマリアナが立ったまま爆睡した。マリアナを揺り起こすと、指輪を外してレギーに渡した。


「これは忘却の杖、万が一身元がばれたらこれを使うと、今、見たことを全部忘れちゃうアイテムさ」


 タリルはレギーに言うとマリアナに向けて振った。


「あら、レギーいつ部屋に来たの?」


 マリアナが今見たことをすべて忘れていた。


「それと、この腰にさげる革袋は私がいつも使っているのと同じタイプで、いくら物を詰め込んでも膨らまないし、重くならない。アイテムもこれに入れるといいよ」


 タリルがレギーに腰に下げる革袋を渡した。


「それで、旦那はいつも身軽なんですね。納得いきました。本も入れて移動できますね」


 レギーが嬉しそうにしている。


「潜入するとウォルフォード伯爵につながる話になると思うのだけど、ウォルフォード伯爵は人間を魔法のアイテムに変える力があるらしいから気を付けてください。今回は安全のためウォルフォード伯爵のいる城には近づかないで欲しいです」


「頼んだよレギー。潜入調査がうまくいったら、シーフオブノスタルジアの続編を渡すよ」


 レギーが目を大きく見開いて背筋を伸ばした。どんなアイテムよりも一番の反応を見せる。


「すぐ出発します!」


 にやけ顔のレギーが真顔になって部屋を出て行った。


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