序章
二〇一二年、地球は滅亡した。
正直私は、二〇一二年に地球が滅亡する、なんて話があることさえ知らなかった。たまたまあの時クラスメイト達が、「ねえ、今年地球が滅亡するって話知ってる?」などと話しているのを聞かなければ、何も知らずにあの日を迎えていただろう。
マヤ文明。フォトンベルト。地球滅亡。ネットで検索してみれば出るわ出るわ。
だが当時中学二年生ながら擦れていた私は、それらの情報を「うさんくさい」の一言で片づけてしまった。試しに親に地球滅亡の話を知っているかと聞いてみたところ、それは知らないが私が物心つく前にも恐怖の大王が現れるとかいう予言があったとかいう話を聞かされた。しかしそんなことはすっかり人々の口の端に上らなくなっていたし、もし仮に話題になったとしても、与太話を懐かしむ程度のことだろう。だからこの「二〇一二年地球滅亡」も、同じ運命をたどるものだと思っていた。
だが、そうはならなかった。
正確に言うと、話題になっていた様なことが起きたわけではない。「二〇一二年地球滅亡」は十二月だったらしいがあれが起きたのは十月のことだったし、地球が三つに分裂してもいない。
けれど。
私たちが今まで信じていた地球――世界は、確かに滅びたのだと思う。
あれから、五年。
二〇一七年の春、私は大学に入学した。
栄泉学院大学異学部の、第一期生として。




