表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

03_「汝、転生者なのか?」

今回は超短いです。


「そろそろ元気を出すのだ、ええと……ティアよ」

「誰がティアだ。帝夜だ、て・い・や!」


 俺は男として大切なものを失った。白髪のロリっ子悪魔・沙羅が言うには、俺の息子が立ち上がることは永遠にないらしい。


「ちくしょう……、こんなことになるのを知っていたら――異世界転生なんてしなかったのに!」


 幹に背を預けて地面に座っている俺は、右手を思いっきり地面にたたきつけた。

 手がじんじんと痛い。


「汝、転生者なのか?」


 空中をぶらぶらと浮いて彷徨っていた沙羅は、黒い翼を消して俺の前に降り立ち、目を点にして顔を近づけてくる。

 普段の俺ならば、全裸でロリな少女が近づいてくれば喜ぶかもしれないが、今はそんな元気すら残っていない。ショックが大きすぎたのだ。


「もしかすれば、その愚息を元に戻すことができるかもしれないのだ」

「マジかよっ!?」

「急に立ち上がるでない!? 驚くであろうが!」


 ビクッと体を震わせた沙羅。

 俺の息子がまた、元気になってくれるとでも言うのか!


「どうやって戻すんだ」

「……急に元気になりおって、現金な奴なのだ」


 男の尊厳を取り戻せるのだ、そりゃあ誰だって活力を取り戻すさ。


「そうだの、まずは汝の転生した時の状況を教えてほしいのだ」

「それが関係してくるのか」


 沙羅は真面目な顔になり、ゆっくりと頷く。


「かなり重要なのだ、その話次第で、今後が決まると言ってもいいくらいなのだ」


 転生時の状態か。


「わかった」


 とりあえず沙羅を俺の隣に座るように言う。

 すると彼女は何を思ったのか、あろうことか胡坐をかいている俺の上に座り込んできたのだ。

 俺が絶句していると。


「ん? 何か問題でもあると?」


 はた目から見れば、全裸の男の上に、全裸の美少女が座っているのだ。もしここが日本ならば色々とアウトだろう。……いや、ここは異世界だから何も問題ないのか?


「安心するのだ、我が輩は汝に襲われるほどやわではないのだ」

「そうかよ」


 まあいい。


「じゃあ話すか。あれはちょうど一カ月前くらいの出来事だったな。あの日、――」


読んでくれてありがとうございます。

次回、主人公の回想です。長くなるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ