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従兄弟の海ちゃん


さて、お待ちかねの私の従兄弟が登場です。


「来年から綾ちゃんも僕と同じ学校だねっ!」


1つ上の従兄弟、三ヶ森 海里…通称「海ちゃん」はニッコリと天使のような笑みを浮かべる。


「楽しみだなぁ、でも綾ちゃんが剣士科っていうのがちょっと心配だなぁ。」


浮かべた笑みを消して、とても心配かつ不安そうな表情を代わりに浮かべる。


「大丈夫!私、強いから!」


その言葉を聞くなり、お茶の支度をしていた緋堂さんが「えー」と声を出して抗議する。


何ですか、そういうことじゃないという意味ですか?

執事ならば主人を擁護するものでは?


「ねぇ、さっきから気になってたんだけどあの人誰?初めて見る顔だけど。」


海ちゃんが少し怪訝そうな顔をして緋堂さんを見る。


「この前から私の専属執事になった緋堂さん!なんでも出来てすっごいんだよ!」


私が緋堂さんを紹介すると、緋堂さんは作業をやめて海ちゃんに頭を下げる。


「始めまして海里様、先日より綾子様の執事として働かせて頂くことになりました、緋堂 朝日と申します。」


緋堂さんが頭をあげてニッコリと笑いかける。


「そっか、綾ちゃんのことよろしくね!それよりもその髪色凄いね。」


海ちゃんが不思議そうに緋堂さんの髪に触ろうとする。緋堂さんの髪色は苗字と同じ緋色だが、それが不自然でないのが凄いと思う。


「地毛です。海里様の髪色は透き通っていてとても綺麗ですね。」


海ちゃんは急に褒められて少し照れながら「ありがとう。」とお礼を言った。

ちょっとモジモジしてる感じが可愛い。

本編だとあんなにも爽やかでかっこいいのに、子供の頃はこんなにも可愛い。


「それでは、お菓子の準備をして参ります。くれぐれも!変なことはしないように。」


緋堂さんが私をじっと見てから部屋を出る。

そんなに念を押さなくてもいいのに、と私は口を尖らせた。


緋堂さんが私の執事になって、早くも一ヶ月が経つわけだが…その短期間で私は多くの心配と迷惑をかけた。


こんな手のかかる子は初めてだと言われてしまった。


「綾ちゃん、まためーわくかけてるの?」


私は海ちゃんの言葉に視線をさっと逸らす。


海ちゃんは逸らした方向に動いて私をじっと見つめる、繰り返すこと3回。

とことこと海ちゃんが私に近づいてぺちんっと私のほっぺたを両手で挟み込む。


「あんまりめーわくかけちゃダメだよ!綾ちゃんは女の子なんだから危ないこともしちゃダメっ!」


ぷくっと海ちゃんはほっぺを膨らませる。


どうしよう、この子可愛すぎる。

特に大人びたわけでもなく、捻くれてもいない純粋な可愛さがある上にこの天使のような容姿。


神様ありがとう。


「ちょっと聞いてる〜?」


その言葉でふっと私は我に返る。

危ない危ない、ちょっと意識飛んでいたわ。


「聞いてる聞いてる、心配性だなぁ〜大丈夫だよ〜。」


私も海ちゃんのほっぺたをぷにっとつねって反撃する。


「いひゃいよ、あひゃひゃん。」

「痛くない痛くない〜。」


ぷにぷになほっぺを存分に堪能してから私はその手を離す。


「そうだ、海ちゃんみてみて!」


私はたたたっと窓へ駆け寄ってバッと窓をあける。

現在、季節の花が咲き乱れている頃で窓から外を覗くと領地内の花畑が見えた。


私は窓の枠に手をかけて縁に座ろうとする。


「あ、あああ、綾ちゃんっ!?危ないって!」


海ちゃんのあわあわとした声が後ろから聞こえる。


「大丈夫!だいじょう、ぶっ!!!」


2回目の大丈夫を言っている途中に、突然後ろから頭をガッと掴まれる。


「あ〜や〜こ〜お嬢様〜?」

「ひぃっ」


このあと私はこっぴどく緋堂さんに叱られるのでした。


そろそろ、ゆっくり更新に入ろうかと思います。

たくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです、ありがとうございます!!

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