ぼくらは彼を主人公だと思っていた。
ぼくは勇者さまのお供だ。
諸悪の根源である魔王を倒すお手伝いをするため、勇者さまとともに旅をしている。
いくつもの試練を乗り越えて、いくつもの月日を共にして、ぼくたちは魔王のすむ城にたどり着いた。魔王の城はとても静かで、魔物たちはみんな、遠くでじっとぼくたちを見ているだけだった。
魔王の城の一番奥、光の射さない行き止まりの玉座に魔王はいた。口に笑みをたたえた長い髪の綺麗な女性。その前で勇者さまは剣から手を離し裏切りの言葉を口にした。
振り返る勇者さまを貫いたのは、たった一本の矢。真っ赤な血が床の上に広がっていくのをぼくらはただ、ただ見ていた。勇者さまの呼吸が、徐々に弱くなっていくのを、ただ見ていた。
ぼくらを導いてくれる勇者さまはもういない。ぼくらはこれから、何をすればいいんだろう。
諸悪の根源である魔王を倒すお手伝いをするため、勇者さまとともに旅をしている。
いくつもの試練を乗り越えて、いくつもの月日を共にして、ぼくたちは魔王のすむ城にたどり着いた。魔王の城はとても静かで、魔物たちはみんな、遠くでじっとぼくたちを見ているだけだった。
魔王の城の一番奥、光の射さない行き止まりの玉座に魔王はいた。口に笑みをたたえた長い髪の綺麗な女性。その前で勇者さまは剣から手を離し裏切りの言葉を口にした。
振り返る勇者さまを貫いたのは、たった一本の矢。真っ赤な血が床の上に広がっていくのをぼくらはただ、ただ見ていた。勇者さまの呼吸が、徐々に弱くなっていくのを、ただ見ていた。
ぼくらを導いてくれる勇者さまはもういない。ぼくらはこれから、何をすればいいんだろう。
勇者さまとくま退治
2014/12/03 08:58