表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

第三話 妹 藤峰明

さて、今回でキャラ二人追加です。

個人的に妹キャラは気に入っているので、みなさまにもどうか気に入っていただけたらと思います。

第三話  妹 藤峰明 


 俺は着替えるため、一時帰宅した。

 ひとまず、喉を潤そうとリビングを通りキッチンへ向かった。


「お兄ちゃんお帰り~」

「明、いたのか。ただいま」

「そりゃ、いるよ。ここ私の家だよ?」

「そういうこと言ってんじゃねぇよ。お前部活は?」

「今日は休みの日だよ」


 藤峰明。

 俺の三つ下の妹で、現在中学二年生。

 普通の公立の中学に通う中学生。部活はバスケ部。俺の幼なじみの赤井紅に憧れてバスケを始めて今では先輩に混じって時々試合にも出ているらしい。

 俺の回りはバスケ少女ばっかりで、帰宅部の俺は肩身が狭い。


「今日は男子の練習日だから女子は休み」

「あぁ、そういえばそうだっけ?」

「もう、何回も言ってるのに覚えないんだから」

「ははは、ソンナコトナイヨ」

「また、そんな適当なこといって」


 妹にはバレバレだった。


「それより、これから着替えて真人んとこで宿題するんだけど、お前もくるか?」

「真人さん!? しょ、しょうがないなぁ、お兄ちゃんに付き合ってあげるよ!」

「しょうがなくで来なくてもいいけど?」

「行くっていってるでしょ!」

「えぇ!? なんか嫌そうだったし……」

「いいから! 行くったら行くの!」


 わがままだなぁ。

 でもお兄ちゃんは明の恋、応援してるからな!

 別に真人のことが好きなのかどうか確かめたわけじゃないけど。

 まぁ、たぶん好きなんだろうなぁ。

 夕陽といい、真人はモテモテだな。


「まぁ、着替えてくるからまってろ」

「あ、私も着替えなきゃ」

「そういえば、真人が言ってたんだけどさ」

「なになに?」

「だらしない恰好してる女の子ってかわいいって言ってたぜ?」

「ほ、ほんと? え? じゃあこの恰好で、行こうかな。いや、でも……さすがに……」


 頬を染めながら、手で顔を抑えてくねくねしていた。


「嘘なんだけど、そこまで吟味してくれると、嘘ついた甲斐があるなぁ」

「え?」

「え? いやいや、ホントなわけないじゃん」


 知らないけど……

 真人ってだらしない女の子好きなのかな?


「ゴフッ」


 殴られた。

 無言で。

 そして、自分の二階にある自分の部屋に向かって行った。


「明~。結局行くのか~?」

「行く!」



「お前ほんっと真人のこと好きだよな」


 F&Cへ向かう道中


「はっ? いやいや、何言ってるの? お兄ちゃん。意味不明だよ。理由不明だよ。いやいやいや、本当にお兄ちゃんはバカだなぁ。私が? 真人さんのこと? 好き? 意味不明だよ。お兄ちゃんいつからそんな意味不明になったの? もう存在が意味不明だよ。意味不明人だよ」


 なんで、俺が意味不明人なんだよ。っていうか意味不明人ってなんだよ。


「いやー。でも、お兄ちゃんの頼みだからなぁ。私が、真人さんのこと? 好き? ま、まぁ、お兄ちゃんがいうなら、好きになってあげていいよ?」


 一度足りとも、好きになって欲しいなって言ってねぇよ?


「いやー。ホントしょうがないなぁ、お兄ちゃんは。ホントわがままなんだから」

 なんで、俺がわがままなんだよ。



 真人の家はF&Cという名前で花屋とカフェを運営していた。

 入り口は二つ。左側の入り口は花屋さん、右側の入り口は喫茶店になっている。店内でも行き来できるようになっていて、日中はコーヒーを飲んで誰かに花を買って帰る。花を買って、紅茶で一息なんて客も多いらしい。

 が、夕方になると客はまばらだ。


「じゃ、お前先にカフェ行ってろよ。俺、ちょっと舞さんに挨拶してくるから」

「は~い」


 そういって明とは、入り口前で分かれて俺は左側、明は右側の入り口へ向かった。

 入り口に入り正面のレジのところに、舞さんはいた。

 藤原舞。藤原真人の母。年齢は聞いていないが、見た目年齢は相当若い。最初みたときはお姉さんと思ったほどだった。

 ウェーブのかかった。長い髪の後ろを髪留めでまとめている。

 店番をしているときはいつも胸にところに「F&C」と書かれたロゴが入ったエプロンをしている。

 このエプロンは隣の喫茶店にいる真人の父も同じものをしている。


「あら、いらっしゃい。公太郎君」

「ちわっす。舞さん」


 なんともぽわぽわした雰囲気が真人と似ている。いや、どちらかというと真人が舞さんに似ているんだろうけど。

 ちなみに、なんで俺が真人の母のことを名前で呼ぶかというと、始めて真人の家に行ったとき



「あ、お姉さんですか? はじめまして、藤峰公太郎です」

「公太郎、お姉さんじゃなくて母さんだよ」

「いえ? お姉さんよ」


 ニコニコ


「か、母さん?」

「ね、真人。お姉さんよね?」

「は、はい」

「え、ええと。お、お姉さん?」

「舞って呼んでね」

「あ、はい。舞さん」

「はい」

 


 そんなやりとりがあって、俺は真人のお母さんのことを名前で舞さんと呼ぶようになった。


「いらっしゃいませ」


 すっごい棒読み。

 ザ不機嫌って感じ。

 店内には夕陽が不機嫌丸出しで花の整理をしている夕陽がいた。

 せっかく来たのに。こんなことしてる場合じゃないのに。

 なんて顔をしている。

 夕陽は真人の家とは家族ぐるみの付き合いのため、中学生のころには手伝いとして、F&Cに入り浸っていたらしい。それこそ、中学一年から今までの四年間も手伝いをしていたら、さすがに慣れたものらしい。

 それが、何をもってしてこんなに不機嫌なのか。

 その理由はとなりの喫茶店にある。

 夕陽は時折、喫茶店の方をちらちら見てはムッっとおもしろくなさそうな表情をしていた。


「じゃあ、舞さん。僕、向こうにいますので……」

「はぁい」



「あ、公太郎」

「おぉ、公太郎じゃねぇか。いらっしゃい」

「……」

「あ、雄太さん、茜ちゃんも。ちわっす」


 真人、真人の父雄太さん、制服の上にF&Cのエプロンを付けた女の子、それに加えて我が妹の明がいた。


 麻倉茜 黄昏三姉妹 北原高校のわがままルーキーポイントガード

 中学から顧問の先生が目を付けていて、レギュラーの座が確定とされているスーパールーキーである。

 そのわがままなプレイスタイルで相手を翻弄する。そのスピードは一年生にして都内一と噂されているらしい。

 その茜が俺が喫茶店側に入店した瞬間にジト目で睨まれてしまった。


「ま、真人先輩? えっとこれは……」

「あぁ、これから宿題やる約束なんだ。今日は二人がいるから僕の手伝いも必要ないと思うし」


 今日はバイトの看板娘達二人の部活が休みだったため真人はのんびりできるというわけである。逆に二人が部活で来れないときは真人が家の手伝いとして、花屋か、喫茶店を手伝っている。


「真人さん。私も一緒に宿題していいですか? 今日、学校で宿題出たので」

「いいよ~。 公太郎は?」

「もちろん」


 と明が言い出した。

 妹よ。ホントに抜かりないな。

 っていうか俺から許可とれよ。なんでお前真人から聞くの?

 今日の勉強会は俺の発案だよ?


「フフン」


 そんなことを口に出して言いながら、茜を見つめる。

 あぁ、なるほど。そういうことか。

 なら、お兄ちゃん応援するからな!(二回目)


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

「え? なんですか? 麻倉先輩。私たち一緒に宿題するんですけど?」


 お前、いつからそんな嫌味なキャラになったの?

 お兄ちゃんは悲しいよ!


「そんな、ずるい! 私だって……」

「え~? なんですか~? よく聞こえませ~ん」

「む、むぅ」


 ニヤニヤしながら茜を見返す明。


「あっれ~。どうしたんですか~? もう行っていいですか~」


 お、おい妹よ。そんなに嫌味なところを好きな人の前で見せていいのか。


「あの、明ちゃん? どうしたの?」


 ほら~。そんなことするから、真人が勘繰ってじゃないか。


「あ、いえ。なんでもありません。さ、行きましょ。真人さん」


 あぁ! 茜の表情がみるみる怒りに振るえている。

 まぁ、おバカな妹だったら大丈夫だろうけど。

 ただ、茜がこの現象でどうなるか。

 それほど、影響はないと思うが……

 これで状況が動かれるのも面倒だな。 

 おっと今は仕事のことより、まずは宿題だな。


「真人さん! ここ教えても教えてもらってもいいですか?」

「ん~ どこ?」

「ここです」


 そんな見え見えの手で真人に接近する。


「あぁ、数学か」

「おいおい。真人~。中学生の問題答えれなかったら、ヤバいぞ?」

「ちょ、プレッシャーかけないでよ」


 そんなやりとりをしていても、頭の片隅には仕事のことが引っかかっていた。

 引っかかっていても宿題は移すだけだから、別に問題はなかったけどね。


「と、いうことがあったが、特に問題はないと思う」

「そうか、わかった。ありがとう」


 毎週水曜日、午後九時

俺はパソコンの前でヘッドセットを付けて話していた。

真っ白な画面の中央には「世界物語論肯定派」と書かれていた

相手はマスコットライオン。

このマスコットライオンとは高校一年の時からの付き合いだから、だいぶ違和感がなくなってきた。

最初出会ったときはだいぶ戸惑ったものだけど。


さて、次の話はついに「世界物語論肯定派」の謎について触れていきます。

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ