第二話 ヒロイン 雨音夕陽
始めて「小説家になろう」に投稿したので毎回前書き書けるとは知りませんでした(汗)
第二話では公太郎、真人、夕陽の三人で帰ってるだけですが、三人の会話劇をお楽しみください。
そんなこんなで「世界物語論肯定派 第二話」始まります。
第二話 ヒロイン 雨音夕陽
なにこれ。気まずい。
下校中、俺は真人、夕陽というメンバーで帰っていた。
そこで考えて頂きたい。
夕陽の様子を見るに、真人と話したいけど、俺がいるし、恥ずかしいしでなんか申し訳ない。
真人は真人でふっつーの顔して帰っている。
っていうかお前は気にしてやれよ。幼馴染だろ。
って、あ、そっか。真人には家に一回家に帰るって言ってるんだし、俺だけ先に帰ればいいのか。こんなことに今更気づくなんて、俺もまだまだだな。
「公太郎。今日の地理の宿題だけどさ」
……
話しかけられてしまった。
お前、ホント空気読めねぇな。そんな宿題夕陽にでも話てろよ。
「あー。そういえば、出てたな。それがどうした?」
「うん。あの宿題も一緒にやらない? 明日までだし」
「あーそっか。そういえばそうだったな。オッケー持っていくわ」
「うん、ボク地理苦手だからね。さすがに手伝ってもらわないと厳しい」
……
だから、俺と和やかに会話してんじゃねぇ!
てめぇは幼なじみヒロインといちゃラブしてればいいんだよ。
「……」
うぉぉぉ。夕陽さん、違うんです。
俺は俺は今から帰るとことなんです。
だから、その「空気読みなさいよ!」の目は止めてもらえませんかねぇ。
トホホ
そもそも、こんな空気読めない男のどこがいいんですかねぇ。
「ところでさぁ公太郎」
そもそも、お前はなんで空気が読めないんですかねぇ。
「真人」
会話が途切れたタイミングを見計らって、夕陽が真人に話しかけた。
「今日って週明けだからあんまりお客様こないじゃない? だから私にも……その…………宿題教えなさいよ!」
おぉ。いいぞ。
やっぱり恋するヒロインはそうでなくちゃな。
好きな男子と宿題したいけど、素直に「一緒に宿題しよう」と言えない感じがかわいいよな。
「……」
って褒めてるんだからその目ヤメて!
その「そもそもなんであなたまだいるのよ」の目を引っ込めなさい。別に邪魔しないから。
「うん。いいよ? でも、夕陽明日提出のプリント持ってきてるの?」
「ふふん。プリントはファイル一つにまとめてあるから大丈夫よ。真人と違って提出間違えたりしないし」
「う……」
「まぁ、今日のところは感謝代としてショートケーキで許してあげるわ」
「え~……」
「なに!? 文句あるの?」
「え~~……」
そう言って毎回お前おごるハメにあってるよな。
いい加減男らしくビシッと言わないとダメかもよ?
何がダメってお前の懐具合がだけど。
あと、お前の男のプライド的なサムシングとか。
「誰のおかげで今日の勉強会が開けてると思ってるのよ!」
それは俺が真人を誘ったからであって、夕陽が先生からプリントを返してもらったからではないのだが。
まぁ、実際夕陽がプリント返してもらってないと、俺が写さしてもらえないところだったから口に出して言わないけど。
でも、いるよね! 好きな人を目の前にするとムキになったり、テンパったりする女の子!
夕陽は基本的に頭の回転は早い方だが(さすがはスポーツ少女!)真人を前にすると、ムキになってちょっとテンパった発言をしてしまうことがある。
そこも含めてファンクラブの一員として良いと思ってます!
「わかったよ~」
今回もダメだったか。
ま、いつも通りだな。
「わかればいいのよ」
こういうなんだかんだ。人のことを許してしまう底抜けな優しいところがこいつのいいところではあるけど。
でも、こんな優しかったところで普通、ずる賢い奴とか利用されてお終いなんじゃないの?
そういう意味でこいつはもってるよなぁ。
そんなことを考えてながら、俺は帰宅した。
さて、「世界物語論肯定派 第二話」どうでしたか?
これから新たなキャラクターがどんどん増えて、物語が進んでいきます。
ぜひ、お楽しみください。