その十七 宋江、闇に消えるのこと
何故、こいつがここにいる?
劉唐の頭にその疑問は当然の如く湧き上がったが、彼女はそれをすぐに打ち消した。今考えるべきことは他にあると判断したからである。
梁山泊にこもって三日がたっていた。奪った財宝の整理が進んではいたがまだまだ時間はかかりそうと言うときに、当初持ってきた食料が足りないことが判明したのである。梁山泊周辺では魚は取れるが、逆に言えばそれしかなく、劉唐と阮小五は食料を再度調達すべく村に戻ってきた。幸い、既に風は大分収まっていていたし、阮小五はさすがにこのあたりの漁師ということもあって夜間でもわずかな村の明かりを頼りに問題なく船を走らせることができる。
するとあの女がなんと阮小五達の家から出てきた。あそこには宋江と宋清もいたはずだ。少し嫌な予感がしながらも劉唐はそれを無理やり押し殺す。あの二人だって馬鹿じゃないし、自分たちのとの繋がりさえばれていなければ、なんとか逃げているはずだと無理やり期待することにした。
「どうして、あなたがこの村にいるの?」
向こうも同じようなことを考えていたのだろう、その問いに答えようとする阮小五を制して代わりに答える。
「教えると思うか」
「そうね……」
どちらともとれない返答を女はした。
劉唐は女を視界に入れながらも周りを慎重に見渡した。既にあたりは大分暗くなっており、自信を持って言えないが、おそらく、敵は一人だけだ。
こちらは二人。人数だけ考えれば圧倒的に有利なのだが……
(こいつは確か気功使いだったはずだな)
劉唐は数日前の黄泥岡でのできごとを思い出す。彼女は自分の剣を氷で壁のようなものを作って防いだ。この手の能力は水の外気功、すなわち周囲にある水に関わるものを操作する、あるいは作り出すことができる能力者だ。この手の人間と雨の中で戦うのは非常に不利だ。いつなんどき、地面の水溜りや周囲の雨粒、さらには自分の髪をぬらす水滴が凶器にならないとも限らない。対応策はない。しいて言うなら彼らも万能ではなく、操れるのは自分の周囲の水だけだ。遠くから攻撃できればよいのだがそんな気の利いた道具などもっていなかった。
できることなら相手をするなら日を改めたいところである。実際、宋江と宋清の事が無ければ劉唐は撤退を選択肢にいれていただろう。
「阮小五、宋江たちの様子を確認しといてくれ」
ぼそりと小さな声で言う。わかった、と彼女もまた小さな声で返してきた。
女が突撃してきた。今の会話でこちらの注意が一瞬それたのを見逃さなかったのだろう。相手の手元に水が集まり、それが鋭い矢じりのような形で凍らされていく。
「左に行け!」
鋭く叫ぶと劉唐は右に走り出した。相手はそれに動じることなく、その氷の矢を左右に飛ばしてくる。
「顕!」
叫ぶと同時、自分のもつ直刀が炎に包まれる。それを振るうことで劉唐は氷の矢を叩き落した。ちらりと阮小五をみれば、彼女は地面に伏せることでなんとか避けたらしい。
阮小五はすぐに起きて家に向かって、つまり敵を無視して走り出す。それを見て劉唐は逆に敵に向かって突進した。気力を足に込め、急加速する。敵はやや驚いたような顔をしながらも冷静にこちらの挙動を捉えてる。
そしてその敵の視線を見て劉唐は急減速した。
「尖!」
劉唐の眼前で地面にできた水たまりが凍り、地面から氷柱がとびだしてくる。あのままの速度で突っ込んでいたら間違いなく串刺しとなるか、宙に吹き飛ばされていたろう。だが敵はこちらの速度の変化に対応できず、そのままの速度で直進すると思って力を発動してしまった。そして、一度かわしてしまえばこんなものは劉唐にとって薄っぺらい壁に過ぎない。敵の苦々しげな表情が氷柱越しに見て取れた。
「無駄ぁっ!!」
瞬時に自分を守るように高熱の火を生み出し、ぶつける。それで、もろくなったつららは劉唐のけり
で簡単に吹き飛んだ。破片が炎のゆらめきを反射しながらあたり一面にきらきらと舞い散った。
「ぐっ!」
敵はそううめきつつも距離をとって最初と同じような矢じり型の氷を飛ばしてくる、劉唐はそれを再度、剣で切り払うと、あいた左手で相手を力任せに殴りつけた。
相手もそれを予期していたのか、右腕で自分の拳を防御している。だが体重差や速度差はいかんともしがたい。自ら飛んである程度、衝撃を殺したようだが、それでも敵は三丈(約九メートル)ほど吹き飛び、さらに地面の上を転がった。
「ふう……」
そこで劉唐は一息ついた。無論、敵はまだ健在だが、即座に立ち上がるような気配も無い。ちらりと後ろを振り返ると既に阮小五が家に近づき、窓から中の様子を覗き込んでいた。
しばらくしてゆらりと相手が立ち上がる。服は泥だらけだが、眼光の鋭さはそのままだ。即座に立ち上がらなかったのは向こうにも余裕が無いのか、それとも罠でもはっていたのか。
「劉唐さん、二人は中にいない。逃げたようだからどこかに隠れているとは思うが……」
「そうか」
いつの間にか近づいてきていた阮小五が報告してきた。
これでとりあえず、懸念事項が一つ減る。後はこの目の前の敵をやっつけるだけだ。
「俺がいく」
阮小五が槍を構えた。
「いや、二人で行こう。さっきと同じ様に左右に散らばるぞ」
阮小五は少しだけ不満げな顔を見せたが結局、素直に頷いた。
先ほど同様に劉唐が右にいく。それを見て、相手は今度はくるりと背を向けて後ろに走りはじめた。
(まずい!)
敵の背後には川がある。そこに行けば相手が利用できる水量は格段に増えるはずだ。
「阮小五、川に注意しろ!」
そう叫ぶと阮小五もそのことに気づいたのだろう。少し速度を落とした。だが敵は既に河岸ぎぎりのところにたたずんでいる。後一歩後ろに下がれば川の中だろう。顔は既にこちらに向けていた。
(左右に分かれて攻撃しようとすればどうしても川に入らざるを得ないってことか……おもしれぇっ!)
獰猛な笑みを劉唐は浮かべた。
「阮小五! お前はそのまま正面から突撃しろ!」
劉唐はそうさけぶとあえて川べりぎりぎりに近づくと敵の真横から近づいた。タイミングをあわせて阮小五も槍をもって突撃する。
(さあ、今度は何をしてくる!?)
劉唐は接近しつつもじっと敵と川の水の様子を注意深く観察していた。敵まであと六丈、五丈、四、
三、二、……
(何もして、こない?)
間違いなく何かしてくると思ったが、そんな気配は微塵もなかった。だがこの執念深い女がこの期に及んであきらめたわけでもあるまい。しかし、何をしてくるつもりなのか劉唐には全くわからなかった。こんなときはとにかく突き進むしかない。劉唐は剣を振るう。狙いは相手の首、急所だ。
前からは阮小五の槍。左からは劉唐の剣。敵には逃げる場所など無いと思われた。後ろに行こうと右に行こうとどちらかの武器が追う。まさか喜劇のように敵同士の激突を期待しているわけでもあるまい。
二人の刃はまさに敵の体を貫こうとしていた。
楊志? この子が楊志だって?
宋江はその名を聞いたとき、激しく狼狽した。楊志ということはこの自分と宋清が救ったこの目の前の青い髪の女性少女こそ、晁蓋たちが襲った輸送隊を率いてた人物で、おそらく聞いていたその時の生き残りのうちの一人なのだろう。
どうする? と宋江は自問した。
晁蓋は既に東渓村に帰っているだろう。もし明日、彼女が鄆城の街に行くと言い出したら、途中でばったり会わないとも限らない。東渓村はここと鄆城の丁度中間地点にあるのだ。だがここになんとか留めおいても呉用たちが戻ってきたらそれもまた、面倒な事になる。
だが宋江には考える時間など与えられなかった。折り悪くちょうど劉唐が帰ってきてしまい、楊志は止めようとする彼の言葉も聴かずに家を飛び出してしまったのである。少し唖然とした後に、慌てて頭を振って部屋を出ると数秒前の自分と同じようにぽかんとしたままの宋清がそこにいた。丁度ばたんと玄関のドアが閉められる音が聞こえる。楊志は丁度、入れ違いに外に出て行ったようだ。
「兄様? 一体何があったのですか?」
きょとんとしたままの宋清が頭に疑問符を浮かべながらこちらに質問してくる。
「清、楊志さんはどうも劉唐さんたちを追ってきた人らしい。黄泥岡で晁蓋に攻撃された生き残りだったんだ」
「ええっ! そうだったんですか!?」
「とりあえず、こっちに来て!」
驚愕で口と目を見開いたままの宋清の手首をつかむと宋江はとりあえず裏口から外に出た。そこには楊志が乗ってきた小船がひっくり返されておいてある。それを少しだけ持ち上げて宋清にそこに入るように促した。
「清、頭を低くしてじっと隠れてるんだよ。いいね」
戦っているのが楊志と劉唐というのなら宋清に危害が加わる可能性は少ない。だがそれでも万が一ということもある。宋江は何より彼女の安全を優先させた。
「に、兄様はどうするんですか?」
「とりあえず、状況を見てくるよ」
そのとき、家の表のほうで劉唐のものと思われるおたけびがあがった。当時に家の向こうでぱっと何かが光る。
「い、いやです。兄様! いかないでください!」
「大丈夫。ちょっと行ってくるだけだから。少し我慢してて」
「でも……」
「帰ったら何でも一つ言うことを聞くから、ね」
「ぜ、絶対ですよ! 絶対帰ってきてくださいよ!」
「うん。わかってるって」
殊更に微笑んでそう言うと宋清を船の中に隠し、宋江は走った。
家をぐるりと迂回して表に出ると、劉唐と楊志、それにもう一人が川にむかってものすごい勢いで走っていく。
(阮小五さん……かな?)
微かにわかる髪形と体格のシルエットからそう判断すると、宋江もそれを追った。
「阮小五! お前はそのまま正面から突撃しろ!」
彼方から再び、劉唐が叫ぶ声が聞こえる。宋江はそちらに向かって走った。
ぐんぐんと三人との差は開いていくので宋江はあせったが幸いなことにその移動は長くは続かなかった。ドドドドと不吉な水音がする。河の水音だ。楊志は河を背にして立っており、劉唐と阮小五が包囲するように近づいている。
「みんな、待って!」
宋江はそう叫んだが三人とも聞こえていないようで、誰も反応しない。
阮小五と劉唐が楊志に向かって走り出した。
第一目標である宋江と宋清の脱出はどうもうまく行ったようだ。少なくともやつらは彼らのような無関係の人物を戦いに巻き込むようなまねはしないらしい。そこに楊志はとりあえずほっとした。
河岸ぎりぎりにたち、敵を見据える。敵はこちらの能力を警戒にして河には入らないだろう。つまり後ろから攻撃されることはこれでなくなった。敵は正面と左。同時に突っ込んできた。攻撃を避ける等と言う無駄をするつもりはない。淡々と彼女は自分の体内の気を練り上げていた。敵の刃が楊志の体に触れたその瞬間に叫ぶ。
「結!!」
最大限に練りに練った気功を楊志は周囲に爆発させた。首筋の刀と腹の槍の穂先。少し切られたようだがかまうものか。楊志はその武器と自分の体を接触面として敵の武器と体を凍らせた。驚愕にかたまる正面の表情が見れた。左にいたはずのはどんな顔をしているかわからないが確認する余裕は無い。
勝利を確信した瞬間に楊志は吹き飛ばされた。敵の武器を凍らせ、切れ味はそげても勢いまでは止められない。腹と首に同時に衝撃をうける。首のほうは逆らわずに頭を前にふってしまえば、ある程度勢いを軽減できたが、体の中心を狙われた槍のほうはそうはいかない。楊志は背後の河に背中から落ちた。ばしゃんと自分が河の浅瀬に崩れ落ちる音がする。しかしこれは逆に彼女にとっては幸運だった。顔に水がかかり意識が飛ぶのを防いでくれる。
水中でうつぶせになるように回転すると両手で上半身をもちあげる。なんとか四つんばいになって顔だけは河の泥水から脱出させた。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ!」
胸が苦しい。あえぐように楊志は呼吸を繰り返した。
(お願い! もう少しだけもって……!)
必死で自分の体に懇願する。ちらりとみれば敵は自分の狙い通り半身を凍らされており、その場に釘付けになっていた。
だが、あまり時間があるわけでもない。特に赤毛の方。彼女は火の外気功の使い手だ。そうなら、自分の氷を溶かすのにそれほど時間はいらないはずだ。現に彼女は落ち着いた表情で足元の氷をとかそうとしている。
楊志の呼吸はまだ整わない。だが彼女は自分の体に鞭打って立ち上がると赤毛の女の後ろにまわりこんだ。ほとんど歩くような移動だったがそれでも足元が固定された赤毛は何もできず、楊志に無防備な背中をさらした。首だけはちらりとこちらを振り向き、その顔が驚愕に固まる。
いまさら何を驚くのか、楊志はその疑問を置き去りにしながら呟く。
「死……ね……」
息も絶え絶えに呟くと最後の力を振り絞って懐に隠しもっていた包丁を取り出す。後はもう気絶したっていい。自分の全体重を乗せたこの刃を相手の無防備な背中におしつけるだけだ。
「はあっ、はあっ、はあっ」
未だに息が荒い。意外ともったなと思いながら突き刺そうとした刃は
「待って!」
別の影によって止められていた。
「宋……江……?」
思わず楊志はその影の名前を呟く。彼は自分の腕をつかんでいた。それほど強い力ではない。だが、腕力がなくとも、彼がこの戦いに飛び込んできた理由が思いつかなくて、楊志の体は固まってしまった。
楊志の動きと思考が硬直したのは時間にして一秒と無かっただろう。しかし、その一秒によって楊志と敵の立場は逆転した。
「よくやった! 宋江!」
ばきばきと音がして赤毛が氷の戒めから抜け出す。上半身はまだ凍ったままだが下半身を強引に蹴り砕いた彼女は、体を回転させた。
(どうして? どうして宋江の名前をこいつが知っているの?)
赤毛は振り向きざまに左拳を突き出してくる。
「劉唐さん! 止めて!」
宋江が叫んだ。ああ、この女は劉唐という名前なのか。真っ白になった頭にその事実だけが入ってくる。
そしてこちらにとびかかってくる劉唐とその合間に入り込んでくる宋江がひどくゆっくり見えて……次の瞬間、楊志は空を舞っていた。
自分が河におちる水音が、なぜかひどく遠くから聞こえた。
「なん……でだ……」
劉唐は呆然として拳を振りぬいた格好のまま固まった。
少ししてざぼんざぼん、と遠くの方で相次いで何かが水に落ちた音がする。どこで落ちたのかは暗くてわからない。いや、何か、ではない。体だ。あの青い髪の女と宋江の体。それが水に落ちた音だ。それを劉唐は認めざるを得なかった。
「なんでだよ!」
あの瞬間、振り向きざまに放った自分の拳。その行く先にはぽかんと馬鹿みたいに口を開けた青髪の女がいた。だが、実際にその拳を放った時にはそこにいたのは宋江だった。
彼はこちらに背中を向けて、敵をかばうようにして、自分の一撃を背中に受けた。
もちろん劉唐は少し前から宋江がこちらに近づいているのに気づいていた。だが、それはあくまで劣勢の自分たちを助けるためだと思っており、まさか敵を助けにくるとは思ってもみなかったのである。
劉唐が彼の意図に気づいたのは彼に拳があたる直前だった。油断ならない敵を討つにはこの瞬間しか無いと全力で拳を振りぬいたその後である。急いで拳の勢いを殺すように制動をかける。だが、それでも拳は止まることなく、宋江の背中のど真ん中にぶちあたり、彼と青い髪の女の二人を川に向かって吹き飛ばしていった。
「りゅ、劉唐……」
後ろでうめくように声が聞こえて意識を現実に引き戻す。そこにはまだ右半身を凍らされたままの阮小五がいた。
「わ、悪い……」
慌てて近づくと火を作り上げて阮小五の体を束縛している氷を溶かした。
「助かったよ」
氷から抜け出て、そういいながらもまだ寒いのか、阮小五は自分の体をかき抱きながら震わせていた。
「なあ、あの、宋江だけど……」
「無理だよ」
あっさりと断言される。その調子に思わずかっとなって阮小五の襟首をつかんだ。
「最後まで聞けよ、宋江を探し出してくれって言ってるんだ!」
劉唐は泳ぐことができない。それはこの時代においてはさほど珍しいものでもなかった。おそらくは宋江もそうだろう、と劉唐は思っている。
「だから、無理だって言ってるだろ。この水量で、この時間帯、おまけにどこに落ちたかもわかりゃしないんだ」
襟首をつかんだ自分の手を払いのけながら阮小五は冷静に言ってのけた。
「ぐ……」
阮小五の言うことは正論だった。おまけに彼女は自分なんかよりずっとこの河について詳しい。
「あんたは悪くないよ」
慰めるように阮小五が言う。
「俺が見てた。宋江が勝手に飛び出してきたんだ」
「……だけどよ」
「他の連中には俺から説明する。あんたは体を休めておいてくれ。それと、大分遠回りになったが、食料を持って行こう」
宋清にも顛末を説明しなければいけないだろう。どこにいるかはわからないが宋江は彼女を放っておいたりしないはずだからどこか近くに隠れているはずだと阮小五は思った。
暗がりの中で宋清はじっと身を潜めていた。船の中は冷たくて暗たい場所だったが宋清は我慢した。兄が、自分の大好きな兄がきっと迎えにきてくれるはずだから。
はあ、と息を自分の手に吹きかける。兄が飛び出していってから大分時間がたっている。まだだろうか。きっと色々と大変なことになっているかもしれない。でもあの兄のことだ。きっとなんとか戦いを止めているはずだ。
(でも、寒いな)
そうは思って寒さだけはどうにもならない。静かになったけど、出て行ってはだめだろうか。
でも変に動いて、もしここに自分がいなかったら兄は心配するだろう。宋清は兄に余計な心労をかけたくなかった。
そうだ、いいことを思いついた。なんでも一つ、言うことを聞いてくれる約束だ。もどってきたらぎゅってしてもらおう。暖めてもらおう。
宋清は兄の帰りを待ち続けた。
第二話 蠢動編、これにておしまいとなります。
いかがでしたでしょうか。ここまでのご感想など頂ければと思います。
第三話の慟哭編は蠢動編の修正等を終えたらスタートしたいと思います。
おおよそ一週間後程度を想定しています。
次回予告
仲間と別れ、宋江は揚志と共に黄河の濁流に飲まれてしまう。彼らを助けたのは魯智深という名の尼僧であった。彼女は彼らを助けた見返りとして、友人の脱獄計画への協力を要請する。そして、宋江はそこでこの国の暗黒を垣間見る。中華幻想戦記、慟哭響く第三話でございます。