一話目
春。
僕は春が好きだ。
というか、桜が好きだ。
花見も好きだ。酒が飲みたいところだが、まだ未成年である。残念。
とはいえ、暇が出来れば近所の公園に行き、桜を見る。
いろんな時間帯、いろんな天気、いろんな角度から、桜を見る。
昼間根元に腰を下ろし、転寝をする。
そういえば、桜の木の下には死体が埋まっているという。だから、桜は美しいのだと。
気になった。不謹慎かもしれないが掘り起こしてみたいとおもった。
……それ以上にだるかった。
なので、掘り起こしたつもりになって、考えることにする。
埋まっている死体は、腐敗しているだろうか。いや、きっと美しい、そのままの姿なのだろう。
私はなぜか、埋まっている死体を女性だと仮定し、思いを募らせた。
そんなある日、金縛りにあった。
読者め、唐突過ぎて驚いたか。ざまあ見ろ。
……それどころではない。驚いたのは僕のほうだ。
なぜ? と僕は記憶をめぐらせる。
部屋にかけてある時計の秒針の音があせらせる。
なかなかうまく思い出せない。秒針のせいだ。金縛りにもあったのも全て秒針のせいだ。金縛りが終わったら長針とともに折ってやろう。
いくらか経ったとき、やっと思い出した。訳あり物件だった。
ってことは幽霊か……やべえ、どうしよう……興奮してきたああああああああああああああ!!
思わず取り乱してしまった。
そのとき、僕の耳元で声が聞こえた。
「もしもし私メリーさん」
……!?




