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Tale.0 名前
この小説には、残酷な描写が時折あります。
読まれる際にはご注意ください。
尚、あらすじ等は後々変更する可能性があります。
紅く燃え上がる炎。
何かが裂けるような音と一緒に崩れていく家。
私はその光景を、地面にへたり込んで呆然と見つめていた。
無意識に立ち上がる。走り出す。けど後ろから肩を掴まれる。
何か言われたけど、私の頭は正常に働いてくれなくて、まるで意味が分からなかった。
離して!家の中にはまだお父さんとお母さんが、弟だっているんだ!
燃えちゃうよ!みんな燃えちゃう!
どんなに前へ進みたくても、肩を掴んだ手がそれを許してくれない。
『お父さん!お母さん!××××―――ッ!!」
…あの時、私はどんな名前を叫んだんだっけ。
取り合えず序章のような感じです。
本格的に話が始まるのはもう少し後です。