八話
眼前の雲が晴れ、見渡すと石造りの建物達でできた迷路のように入り組んだ街が目に入った。
「そろそろ着きますよー」
チーロの元気な掛け声とともに雲が急降下を始めた。
こいつもっと優しく操れよ。急に傾いたらびっくりするだろうが
そう文句を心の中で思っている間にも地上に着いた。
雲は街の入り口から少し離れた池の端に着地した。
「いやー久しぶりだなージェットの街に来るのはー」
「そうねー前回来たときはあんたのせいで散々だったけど」
「お前らここに来たことあるのか?」
「ちょっと前にね。そん時はチーロが街の中で迷子になって探すのがほんと大変だったんだよ」
「迷子になったのは僕じゃないよコークの方だよ」
「なんですってー!」
「まあまあ、二人とも喧嘩はよそう、せっかく新しい街に来たんだしゆっくりしよう。じゃまずは街に入ろうか」
「待ってグビリコ。そのまま入っちゃダメ。あれを見て」
あれってなんだ?コークの指さす方を見るが何か特筆すべきものは見当たらない。
「あれだよあれ。箱が見えるでしょ!」
入口の通路の横に箱が掛けてあった。あれが何だというんだ?
「あの中にこの街の地図が入ってるからとってから入って。じゃないと迷子になるよ。ま、持ってても迷子になったやつはいるけどね」
「しつこいなー迷子になったのは君だって言ってるだろ」
これは止めても無理だなスルーしよう。
コークの言う通り街の地図をてにとってみる。
なんだこれ本当に道が入り組んでいて訳が分からないな。こりゃ地図があっても迷子になるぞ。
「じゃ皆地図持ったね。街に入りましょ。皆迷子にならないようにね」
こいつもしつこいな本当にお前は迷子にならないんだろうな。
「最初はどこに行こうか?」
「来たことあるなら二人に行くべき場所を決めてもらいたいんだが」
「まずは市場ねそこで食料を手に入れないと」
「市場ならこの道を右に行ったところだね」
「違うよ!左だよ。この前も来たのに覚えてないわけ?」
こいつら信用ならんな地図に目を通す。見ているだけで目が痛くなるな。
市場の位置はどこだ?目を凝らして探す。
あ、あった。ここからは右の位置にあるな。
「いや、チーロの言ってる方向であってるぞ市場は右だ」
「な!グビリコもこいつの見方するわけ?ちょっと地図見るから待って!」
俺の手から地図を奪い取るとコークは血眼になって市場の位置を探す。
十秒程経った後に悔しそうにコークは顔を上げた。
「今回はたまたまチーロがあってたみたいね。さ、右に進みましょ」
こいつらどんだけ喧嘩すんだよ。先が思いやられるなー。




