七話
「よし、皆準備できましたね!じゃ僕の魔法でちゃっちゃと逃げちゃいましょう」
すると足元に雲?のようなものが出現した。
「じゃ皆これに乗っていきましょう」
これに乗るのか?落ちないだろうか?恐る恐るゆっくり足をのせてみる。
柔らかいがこちらの体重をしっかり支えてくれている。不思議な感覚だ。
三人が乗り終えると雲は宙へと浮かび上がった。
すごいな。しかし、これ目立たないか?敵に見つかってしまう気がするんだが。
「なあチーロすごいなお前のこの魔法。でもここで空なんて飛んだら敵に見つかりやすくなってしまわないか?」
「ああ!確かに流石勇者!じゃあ高度を上げますね」
すると、雲が直角に近い角度へと傾き急上昇を始めた。
うぉ、落ちる!
そう思うが不思議と体は雲から離れることはなかった。
「ははっびっくりしたでしょグビリコ。でも安心して僕の魔法から落ちることはないから」
こちらの心境とは裏腹に能天気に言う。
雲のかかる程の高さまで来たところで上昇は止まった。
「これなら雲に紛れて敵に見つからないでしょ」
「ああこれなら安心だ」
そういえばこいつ俺を助けるとき日の魔法を使ってたよな。こいつも複数魔法が使えるのか?
「チーロ。お前はこれ以外にどんな魔法が使えるんだ?」
「そうですね仲間なんだし教えてあげますね。僕の魔法は今使ってる雲を出す魔法とグビリコと同じ炎を使う魔法です。まーグビリコ程強力な技は出せないですけど」
「コークはどうなんだ?」
「私はさっきも見せた占いと風を操る魔法。」
「そうなのか。二人とも二種類魔法を使えるみたいだが。皆そうなのか?」
「いや、普通は魔法を使うこともできない。稀に魔法を使える特異体質の者が生まれるの。それでも普通は一種類しか使えないことがほとんど。私たちみたいに二種類使えるのはかなりエリートの部類。あんたみたいに四種類も使えるなんて聞いたことない。まじのバケモン」
「そうなのか。新しく魔法を覚えたりは出来ないのか?」
「できない。生まれつき使える魔法は決まってるの。だから私たちがあんたみたいに四つ使えるようになりたいって頑張ったって無理」
「そうですよ!グビリコはほんと凄いですよ。それに回復魔法が使えるって、これ超激レア魔法ですよ。どこ行っても重宝されます」
「他に使える奴はいないのか?」
「少なくとも僕らは聞いたことが無いです」
「へー俺そんな凄いのか」
「あと魔法について付け加えると。魔力っていうのがあって。簡単に言うと魔法を使うための体力みたいなもんなんだけど。それもさっき占いで見たときグビリコは測定不能だった。普段はその人がどれくらいの魔力を秘めてるかわかるのに」
「そうか。まあ俺は勇者らしいからな」
得意気に言う
「なにそれうざー」
コークの冷たい視線が俺を射抜く
「まあまあ。魔法については分かったよ。ところで今どこに向かってるんだ?」
なだめつつ話を逸らす。
「街です。ここから一番近い街ジェットです」
ジェット!?その瞬間、何のことかわからないがGジェットという言葉が頭をよぎった。その語感が気持ち悪くて仕方がなかった。
「どうしました?グビリコ顔色悪いですよ。」
「いや、何でもない」
跳ねるような心臓の鼓動を抑えながら返事をする。
「何かグビリコ変だねー」
二人に不思議なものを見る目線を向けられながら俺たちは街を目指した。




