四十八話
「武器は私が預かろう」
隊長が近づき俺の剣を取っていった。
「では、私の後ろについてこい」
そう言うと隊長はこちらに背を向け、街の中へと向かい始めた。
「だ、大丈夫なんでしょうか?」
チーロが怯えた表情でこちらを見る。
「たぶんな」
俺も確信は持てていなかった。
「隊長は嘘はつかない。大人しくついていけ」
ミーがフォローするように言った。
俺たちは警戒をしながらも隊長の後を追って街へと入った。
街の中は先刻までの静寂が嘘のように活気にあふれている。
しかし、俺らが近くを通ると楽しそうに話しているミツバチたちは一瞬会話を止め、こちらを見つめてきた。
「おい、これから俺たちをどこに連れて行こうってんだ?」
「気にするな大人しくついてこい」
それから大人しく奴についていくと街の奥の一番大きな建造物の前へとたどり着いた。
入口には門があり、その両端には二匹の兵隊と思われるミツバチがいた。
「隊長、お帰りなさいませ!」
二匹のミツバチが元気よく挨拶をした。
「ああ、これから女王様の元へ向かう。門を開いてくれ」
「わかりました。しかし、後ろにいるのは人間ではないですか?そいつらも通すおつもりですか?」
「そうだ。何かあれば私が責任をもって処分する。だから通してくれ」
「はいっ!」
そう言うと二匹の兵隊ミツバチは門を開いた。
すると木造の外観からは想像のつかない荘厳で煌びやかな内装が目に入ってきた。
眩しい!圧倒されてつい立ち止まってしまう。
しかし、隊長は淡々と前に進んでいく。
「おい、何をしている早くしろ。死にたいのか?」
隊長は恐ろしい言葉と共に立ち止まる俺らを急かしてくる。
建物の内部には左右に螺旋状の階段が一つずつ。真ん中に大きな直線の階段が構えていた。
隊長は真ん中の階段を上っていく。俺らは置いてかれないよう急いで後を追う。
階段を上り切ると一回よりもさらに眩しい世界が目に飛び込んできた。しかし、立ち止まるわけにはいかない。
「着いたぞ。お前らはそこにいろ」
「分かった」
眩しさに眩む目をなんとか開いて部屋の奥を見ると、隊長の二倍ほどの大きさのあろうかというミツバチが玉座に座していた。
あれが女王だろう。




