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四十話

 「お前にばっか攻撃させてらんねーぞこっちからもいかせてもらうぞ」


 腕に力を込める

 「清澄激流砲!」

 奴の腹目がけて白銀に輝く光線を放つ。

 

 あっさりと奴の腹に命中した。

 奴の腹から溢れ出る異臭を放つ液体がきれいに洗われる。

 部屋を覆っていた臭気が搔き消された。


 「気持ちいぞ。わざわざ敵の汚れを洗い流してくれるとは、流石勇者優しいのー」

 女王アリは余裕の高笑いを上げる。


 「体が軽くなった。本気でいかせてもらうぞ」

 奴は羽を羽ばたかせると。

 羽ばたいた勢いのままこちらに向かってきた。

 奴は二本の拳を振りかぶり殴り掛かってきた。

 俺は1つは受け止められたがもう一方はまともに食らってしまった。

 奴の拳が腹にめり込む。

 内臓が抉れるような感覚が走る。

 

 「まだまだだぞ」

 奴はその勢いのまま俺の顎を蹴り上げた。

 衝撃で俺の体は宙を舞った。

 

 それを追うように奴は飛んでくる。

 そして腹に向かって拳を叩き込んできた。


 俺は床に打ち付けられた。

 背中から腹まで貫く痛みが走る。

 衝撃で床が爆ぜる。

 次が来る。避けなければ。

 しかし

 体が動かない。

 

 「これで終わりか?」

 奴は顎で俺を挟み込む

 両脇に熱い痛みが走る。


 どんどん顎はめり込んでくる。


 「おいどうした勇者よ。このままだと真っ二つだぞ。抵抗もしないのか?」


 「したいんだけどよ体が動かねーんだよ」


 「口は動くみたいだけどなー」

 奴は不快な笑い声をあげる。


 くそこんなところで負けてられるか。

 俺は勇者だぞ 

 こんなところで負けるなんて名前負けしてられるか。

 それに俺にここを任せてくれた仲間たちもいるんだ。

 

 そう思うと少しずつ体が動くようになった。

 奴の顔に向かって腕を構える。


 「ん?なんだ体が動くようになったか。まあこの状況では意味のないこと。やってみろ」


 「灼熱火炎砲!」

 周囲に焦げ臭いにおいをまき散らしながら放つ。

 

 しかし、奴の顎は俺の体を離さない。

 効いてないのか?

 いやそんなこと考えてる暇はない。

 黒煙が舞う中俺は拳に電気を込める。


 黒煙が晴れると同時に奴の目を目がけて拳を放った。

 奴の複眼が波打つように揺れる。

 一瞬顎の力が弱まった。

 今だ。

 隙をついて俺は顎から抜けた。

 

 女王アリは目を抑えながらうずくまる。

 

 「勇者よ訂正しよう。貴様は強い。この我の顔に一発入れるとは」

 そう言いながらこちらを振り向いた。

 奴の複眼には穴が開き赤い液体が流れ出る。

 

 「大分痛々しいじゃねーか。意外と俺の攻撃効いてんじゃねーか」


 「だから訂正したのだ。これは我も気が抜けない戦いになるかもしれぬな」

 今まで笑みを浮かべていた女王アリの顔が真顔へと変わった。

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