四話
「グビリコさんそれにしてもさっきの魔法すごかったですねー。どうやって覚えたんですか?」
こいつ能天気なくせに不意にビビらせるようなこと言ってくるな
「それが、わからないんだ.....」
大丈夫か?また疑われないか?
「どういうこと?さっき普通に出してたじゃん。グビリコ!私たち仲間になったんだから隠し事は無しだよ」
「隠してるつもりはないんだ本当にわからないんだ」
「自分の名前もわからないし魔法の使い方もよくわかっていない.....もしかしてグビリコって記憶喪失なんじゃないですか?」
「キオクソウシツ?」
なんだそれ?元ゴキブリの俺に人間の症状は分からないぞ。
「そうです記憶喪失。記憶を忘れちゃうんですよ。それもわからなくなってるんですか?」
「そうなのか、俺はキオクソウシツなのかもしれない」
「そっかーじゃあグビリコは自分の使える魔法もわからないし、戦い方も忘れちゃってるってこと?勇者なのにそれってまずいじゃん」
「どうにかならないか?せめて自分の魔法のことについてだけでも知りたいんだが」
「いいよ、外れることもあるけど私占いできるんだ。グビリコについて可能な限り占ってあげる」
「頼む」
コークは目をゆっくり閉じ、手を頭の横に添える。
「うーん、まず使える魔法は電気、火、水、回復魔法が使えるみたい。流石は勇者ね魔法が多彩だわ」
「ほかには何がわかるの?」
俺よりも興味ありげにチーロが聞く。
「あとはー特技は回避?避けるのが得意なの?勇者なのに。」
「それでそれで?」
「恐れてることが踏みつけられること?どういうこと?」
怪訝な表情で二人がこちらを見つめてくる。
「いや、俺にもわからないんだ。だが何故だか踏みつけられることを想像すると背筋がヒヤリとしてしまうんだ」
「まあいいか、記憶喪失の人に聞いてもわかんないよね。他には何かわかるかなー?」
「どうどう?何かわかりそうー?」
チーロが声を弾ませながら聞く。
「全く分からない。これ以上の情報が無い。おかしいなー普段はもっとわかるのにー。調子悪いのかなー?」
いいや、分からなくて当たり前だ。俺はつい数時間前に転生したばかりだ。情報量なんて大したことないだろう。使える魔法がわかっただけで十分だ。
「ごめんねグビリコこれくらいしかわからない。普段はもっと詳しく占えるんだけど。今日は調子悪いみたい」
「いや、そんなことない。わざわざ調べてくれてありがとう。助かった。ただ占いとは関係なしに聞きたいことがあるんだが」
「何?」
「なんですか?」
二人の声が重なる。
「魔法ってどうやって使えばいいんだ?」
一瞬二人は呆気にとられた様子を見せた。
「どういうことですか?さっき使ってたじゃないですか」
「そのー.....思う通りに魔法が使えないんだ」
「そうですか。じゃあコークは占いをしてくれたから魔法は僕が教えますね」
こいつに教わるのか。能天気そうなこいつに教わるのは少し不安だが、今は選択肢はない。しょうがないか。




