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三十七話

 「お前はチーロとおっさんを守っててくれ!」


 「了解!」

 コークは奴の攻撃を華麗に躱すと彼らの元へと向かっていった。


 「ずいぶん待たせてくれたじゃないか」

 奴の息は上がっている。


 「ずいぶん息が上がってるじゃねーか。そんなんで俺と戦えるのか?」


 「やればわかるさ」

 その瞬間奴は飛蝗(バッタ)のごとく飛び跳ねた。

 

 何をするつもりだ?

 剣を構え、奴の動きを注視する。

 

 奴はその場に飛び降りた。

 衝撃で瓦礫が飛び散る。

 

 元ゴキブリの俺にとって瓦礫を避けるのは楽勝だが

 前方の視界を遮られて奴の動きが読めない。


 「ここだよ」

 耳元でささやき声が聞こえた。


 その瞬間

 背中に激しい痛みが走った。

 背後を見ると奴の顎が俺の背中に刺さっていた。

 そのまま奴は俺の体を持ち上げると高く打ち上げた。

 

 バランスを取らなければ

 出ないと落ちたときに殺やれる

 とっさに体をひねりバランスを取り直す

 

 奴は下で三本の腕を振りかぶっている。 


 このまま落下の勢いで奴の腕を落とす。


 奴は腕を振り突風を放ってきた。


 俺は突風を華麗に切り裂く。

 剣に電気を纏う。

 

 「本日二回目!電撃閃光斬!」


 奴の腕二本が力なく地に落ちた。


 「勇者よ。これほどとは思わなかったぞ。しかし、これで終わる俺ではないぞ」


 「腕一本で何ができんだか?」


 奴は不気味に微笑むと深呼吸をするように息を思いっきり吸い込んだ。


 なんだ?

 

 「これで焼け死ねー勇者よー」


 そう言うと奴の口から火炎砲が放たれた。

 

 そっちが炎ならこっちは水だ。

 腕を構える。


 「やられるかよ!清澄(せいちょう)激流砲」

 煌めく水の光線が放たれた。

 奴の炎は勢いが無くなり儚く消えた。

 水の光線に曝された奴はその場でよろける。


 今だ隙ができた。

 

 俺は奴の首を目がけて走り、剣を振りかぶった。


 「止めだ。本日三回目ー。電撃閃光斬!」

 

 電気の爆ぜる音と共に奴の首が飛んだ。

 首が硬い音を響かせながら地に落ちる。


 「まさか、勇者がこれ程.....とは。女王様申し訳.....ありません」

 そう言うと奴は静かに消滅した。


 「やったか」

 安堵のため息をつく。


 かなりの強敵だった。

 女王アリはこれ以上の強敵なのだろうか?


 「グビリコやったのね!」

 コークが喜びの声を上げる。


 「ああ、チーロとおっさんは?」

 

 「大丈夫そ。チーロ起こすね。おい起きろ!」

 コークはチーロに強力なビンタを放った。


 「いった!何すんだよ!」


 「よし起きたー」


 チーロは周囲を見渡す

 「てかあれっ?でかい蟻は?おじさんは?」


 「もう奴は倒したぞ。おっさんもお前の後ろに」

 奴の後ろを指さす。


 「あ、おじさん。良かった。無事だったんだ」


 「おじさんはどうするの?女王アリのところには連れてけないでしょ」


 「いや、連れていく。」


 「連れてってどうするんですか?」


 「お前が全力で守れ。戦闘は俺とコークに任せろ」


 「わかりました。でも絶対にこっちに攻撃が飛んでこないようにしてくださいよ!」


 「任せとけ」


 「二人で勝手に決めないでよー。まあその作戦でいいけど」


 「では行きましょう!女王アリの元へ!」

 さっきまで倒れてたとは思えない程明るい声でチーロが言った。

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